『ブラックパンサー』のチャドウィック・ボーズマンさん
 - Walt Disney Studios Motion Pictures / Photofest / ゲッティ イメージズ

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 先月29日に大腸がんのため43歳で亡くなった、映画『ブラックパンサー』の主演俳優チャドウィック・ボーズマンさん。4年にわたる彼の闘病生活を知ってたのは、家族やごく一部の関係者のみだったという。なぜ彼は、病を伏せていたのか。その理由を、関係者が The Hollywood Reporter に語っている。

 死の直前まで、『ブラックパンサー』続編に出演するためにがんと闘い続けていたというチャドウィックさん。彼の闘病については、メガホンを取るライアン・クーグラー監督も知らず、明かされていたのは、家族や制作パートナーのローガン・コールズさん、エージェントのマイケル・グリーンさん、トレーナーのアディソン・ヘンダーソンさんなど、ごく一部の関係者のみ。アディソンさんは、がんと戦いながら、撮影に厳しいトレーニング、プレス取材をこなすボーズマンさんを見守ってきたという。

 グリーンさんによると、チャドウィックさんが闘病を隠していたのは、母親の教えの影響もあったという。「彼女は、自分のことで世間の人々をさわがせてはいけないとチャドに教えていました。それに、彼はとてもプライベートを大切にする人だった。この仕事では、こうした事で人々が過剰にさわぎたてるものだと感じていたんです」

 マーベル映画だけではなく、『アベンジャーズ』のルッソ兄弟がプロデュースしたアクションスリラー『21 ブリッジス( 原題) / 21 Bridges』、Netflixで配信中のスパイク・リー監督作『ザ・ファイブ・ブラッズ』、デンゼル・ワシントンさんがプロデュースする『マー・レイニーズ・ブラック・ボトム(原題) / Ma Rainey's Black Bottom』など、精力的に仕事をこなしたチャドウィックさん。アディソンさんによると、遺作とされる『マー・レイニーズ・ブラック・ボトム(原題)』の撮影中、チャドウィックさんは「途方もない痛みのなかにあった」というが、ワシントンさんとの共演や作品に携われる喜びを感じていたという。

 同サイトによると、『ブラックパンサー』続編の撮影は来年3月スタート予定だった。今後の予定は不透明だが、米ディズニーの関係者は、同社は皆に愛されたチャドウィックさんの死をただ悼んでおり、現在のところは『ブラックパンサー』続編の制作をどうするかについては考えていないと語っているという。(編集部・入倉功一)