投入直後からアグレッシブにプレーし続けた南野はアピールに成功した。 (C) Getty Images

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 現地時間7月15日、プレミアリーグ第36節が開催され、リバプールは9位のアーセナルと対戦した。

 プレミアリーグ歴代最多勝点(100)の更新に向けて3連勝が条件となっているリバプール。敵地に乗り込んだ今節もベストメンバーを先発で起用し、南野拓実はベンチスタートとなった。

 試合は、リバプールが立ち上がりからアーセナルを押し込んで攻勢に出る。11分には、前線へキックをしようとした相手GKマルティネスに寄せたフィルミーノのブロックしたボールがポストに直撃する惜しいシーンを作った。

 そして、アウェーチームはあっけなく均衡を破る。フィルミーノとのコンビネーションから敵エリア内左に攻め上がったロバートソンがグラウンダーのクロスを中央へ供給。これをマネが滑り込みながらねじ込んだ。

 先手を取られた後も、防戦一方となっていたアーセナルだったが、思わぬ形で舞い込んでビッグチャンスをものにする。32分、敵陣深くで、相手CBファン・ダイクがまさかのパスミス。これをさらったラカゼットが守護神アリソンをかわして同点とした。

 相手FWネルソンに腕を掴まれてバランスを崩したとはいえ、名手ファン・ダイクの予期せぬプレーから追いつかれたリバプールは、前半終了間際の44分にも再びミスから失点する。今度は守護神アリソンからのビルドアップのパスをラカゼットにさらわれて、最後はネルソンに逆転ゴールを決められてしまったのだ。
 

 逆転された後半を迎えたリバプールは、よりギアを上げ、前半以上に一方的に主導権を握ると、51分にマネ、53分にサラーと、立て続けに相手ゴールを脅かすシュートを放っていった。

 なおも攻めあぐねたリバプールは、あの男に状況の打開を託す。60分にフィルミーノを下げて南野を投入したのだ。

 先発した30節のエバートン戦以来となる長時間のプレー機会を得た南野は、ファーストプレーとなった62分にいきなり惜しいシュートを放つなど、これまでの鬱憤を晴らすように積極果敢な動きを披露。この一連のパフォーマンスにクロップ監督が、「グッドタキ(南野の愛称)!」と思わず叫ぶ声が、ピッチサイドの収音マイクに入り込んでいた。

 南野の投入がカンフル剤となり、60分を過ぎてから90パーセント以上のボール支配率を維持したリバプールは、アーセナルを自陣に釘付けに。その後、82分にアタッカーのシャキリとオリギを同時に入れるなど、パワープレーを用いて、攻め続けたレッズだが、土俵際で粘り続けた相手の堅牢を打ち崩せず……。そして試合は1-2で終了した。

 惜しくも敗れて、2017-18シーズンにマンチェスター・シティが達成したプレミアリーグ最多勝点記録更新の可能性が消えたリバプール。そのなかで、これまで以上に貪欲な姿勢を見せた南野は、ゲームの流れを変えたことを踏まえてもアピールに成功した印象だ。それだけに今季の本拠地最終戦となる次節のチェルシー戦の起用法に注目したい。

構成●サッカーダイジェストWeb編集部