新星・奥平大兼、初の公の場 長澤まさみと共演のデビュー作振り返る
16歳の新人・奥平大兼が15日に都内で行われた映画『MOTHER マザー』完成披露舞台挨拶イベントに登壇。実話に着想を得た衝撃的な作品でスクリーンデビューを果たした奥平が、主演の長澤まさみ、阿部サダヲ、大森立嗣監督と共に初の公の場を踏んだ心境を明かした。
専門家の新型コロナウイルス感染管理指導のもと、一般の観客を入れずソーシャルディスタンスを保ちながらマスコミのみで行われた本イベント。映画『MOTHER マザー』は、『新聞記者』などを手掛けた河村光庸プロデューサーが、実際に起きた「少年による祖父母殺害事件」に着想を得て、映画『まほろ駅前』シリーズや『タロウのバカ』などの大森立嗣監督とタッグを組んでフィクションとして映画化。奥平は、男たちとゆきずりの関係をもち、その場しのぎで生きてきたシングルマザーの秋子(長澤)に翻弄される17歳の息子・周平に。初オーディションで役を勝ち取った。
「久しぶりの公の場ということで、とても嬉しい気持ちです」という長澤に続き、現役高校生でもある新人の奥平は初めての舞台挨拶で「すごく緊張するのかなと思っていたら、考えていた以上に緊張しなくて、困っています(笑)」と意外な反応。
話題が映画に及ぶと奥平は「(シリアスなシーンにもかかわらず)裏で阿部さんが自分のことを笑わせてくるんです(笑)」と暴露。長澤に初めて会った時の印象を「すごく顔が小さくて、びっくりするぐらい可愛いので、すごく緊張しちゃって」「でも、2回目から緊張しないようにすごく頑張りました!」と初々しい発言をすると、「2回目? 早いなあ(笑)」とからかわれる一幕も。
17歳の少年を追い詰めることになる大人たちについて、秋子の内縁の夫でホストの遼を演じた阿部は「秋子もひどいけど、遼が一番悪いと思う」「やっぱり周平をいつか助けたいな、ってお客さんに思ってもらえればいいなと」とコメント。そんな遼と秋子に対して長澤は「きっと秋子と遼はどこかで補い合って、惹かれ合っていたんだろうなと。まわりの家族がいることでやっと立てていた、弱い人と片付けちゃいけないんだろうけど、愛情は少なからず持っている人だったと思う」と分析していた。
スクリーンデビュー作にして長澤、阿部らベテランを相手に難役を演じ切った奥平は「大変な状況ではありますが、ぜひ映画館で観ていただいて、もしかしたら身近にこういう環境の人がいるのではないかと、少しでも気にしてもらえたらなと思っています」と真摯に呼びかけ、大森監督は「俳優たちのすばらしい演技をみてほしい。そして深く心に残る映画ですので、自分の判断で無理せずに、映画館に足を運んでほしいと思います」と結んだ。(編集部・石井百合子)