「報道と現実社会の隔たりがひどい」 新型コロナ関連でBPOに寄せられた「意見」
放送倫理・番組向上機構(BPO)は、2020年3月に視聴者から寄せられたテレビ番組、ラジオ番組、CMなどに対する意見を公式サイトで公開している。
「大型店などにおける空っぽの棚ばかりが強調されている」「専門知識がないタレントに、安易にコメントさせるべきではない」など、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)関連の報道に対する意見が目立った。
意見数は2月から約300件増加
3月にメール・電話・FAX・郵便でBPOに寄せられた意見は1766件で、先月と比べて302件増えた。サイトでは12件を抜粋して掲載しているが、うち10件は「新型コロナウイルス」に関連するものだった。
トイレットペーパーやティッシュペーパーの品不足を報じた番組に対する意見では、「デマであることも、在庫は潤沢にあるとのコメントもされているが、その背景に流れる画像は、大型店などにおける空っぽの棚ばかりが強調されている」と指摘。「視聴者に飛び込んでくる印象は、言葉より画像の方がはるかに強烈に残る。それを見ればやはり、『買いに行かねば...』と走ってしまう人たちがいるのではないか」とし、映像の扱いを慎重にすべきとの声が聞かれた。
全国の小・中・高校の臨時休校を受けた報道に対しては「外出を我慢している子どもたちが多いのに、ごく少数の繁華街で遊ぶ子どもたちを取材、マスクを買い占める高齢者やパチンコに興じる高齢者は一切報道しない」ことを挙げ、「報道と現実社会の隔たりがひどい」と批判する意見があった。
また、「全国一斉休校要請以前は、『対応が遅い、小出しで緩い』と批判していたが、休校要請が出た途端、『唐突で影響が大きすぎる』と批判している」と、マスメディアによる「一貫性のない批判」を指摘するとともに、
「ワイドショーなどで、医学や法律などの専門知識がないタレントに、安易にコメントさせるべきではない」
と専門性の低い報道を批判する意見もあった。