DeNAのタイラー・オースティン(左)と巨人のヘラルド・パーラ【写真:荒川祐史】

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巨人パーラは打率.233で0本塁打、モタは22打席連続無安打

 15日に最終戦を終えたプロ野球のオープン戦。本来ならいよいよ開幕となるところだが、今季hが新型コロナウイルスの影響で開幕が延期となった。新たな開幕日はまだ確定しておらず、今後、選手たちは練習試合を通じて調整を続けていくことになる。

 2020年シーズンに向けて、各球団が新たな補強を行ってきた。今季はこれまで以上に“大物”と呼ばれる助っ人たちが来日。ファンも大きな期待を抱いているはずだ。

 その新助っ人たちはオープン戦を通じて新チームに、そして日本の野球にアジャストしていく必要がある。そこで、新たに12球団に加入した新助っ人たち(NPB間で移籍した選手含む)のオープン戦をチェックしてみよう。まずはセ・リーグだ。

○巨人
エンジェル・サンチェス投手
3試合0勝1敗0S 防10.57
7.2回 13安打 2本塁打 3四死球 6奪三振 11失点

チアゴ・ビエイラ投手
5試合0勝1敗0S 防3.60
5回 2安打 0本塁打 3四死球 5奪三振 2失点

ナティーノ・ディプラン投手(育成)
1試合0勝0敗0S 防5.40
5回 7安打 0本塁打 1四死球 1奪三振 3失点

イスラエル・モタ外野手(育成→支配下)
12試合42打数8安打2本塁打4打点
2四死球 19三振 率.190 出.227

ヘラルド・パーラ外野手
11試合30打数7安打0本塁打3打点
1四死球 8三振 率.233 出.258

エスタミー・ウレーニャ内野手(育成)
3試合5打数0安打0本塁打0打点
0四死球 1三振 率.000 出.000

 6人の新助っ人がオープン戦に出場した巨人。だが、やや不安の残る結果になっている。まずアピールしたのがモタ。キャンプからアピールして育成から支配下に昇格した。だが、オープン戦が進むと、22打席連続無安打となるなど急失速し、ファームに降格となった。

 先発の一角として期待されるサンチェスは3試合で計11失点。防御率10.57と課題を残している。中軸として期待されているパーラは打率.233、本塁打なしと、こちらもまだまだアジャストの途中段階と言えそうだ。

オースティンは4本塁打に加え、.343と打率も残す

○DeNA
マイケル・ピープルズ投手
2試合1勝1敗0S 防3.38
8回 8安打 1本塁打 4四死球 3奪三振 3失点

タイラー・オースティン内野手
12試合35打数12安打4本塁打7打点
6四球 10三振 率.343 出.439

 DeNAはとにかくオースティンが強烈なインパクトを残した。オープン戦初戦でいきなり2打席連発と華々しい“デビュー”を飾り、12試合で4本塁打。.343の打率だけでなく、出塁率も.439高く期待が大きくなった。ピープルズも15日の日本ハム戦で5回無失点と好投した。

○阪神
ジョン・エドワーズ投手
4試合0勝0敗1S 防2.25
4回 1安打 1本塁打 1四球 2奪三振 1失点

ジョー・ガンケル投手
3試合0勝2敗0S 防8.10
10回 10安打 2本塁打 3四死球 11奪三振 9失点

ロベルト・スアレス投手
2試合0勝0敗0S 防1.80
5回 2安打 0本塁打 2四死球 3奪三振 2失点

ジャスティン・ボーア内野手
8試合20打数4安打0本塁打1打点
1四球 5三振 率.200 出.238

ジェリー・サンズ外野手
8試合21打数5安打2本塁打2打点
0四死球 7三振 率.238 出.238

 今季、大量8人の助っ人を抱える阪神。ソフトバンクから移籍したスアレスも含め、5人の新助っ人が加わった。セットアッパーとして期待されるエドワーズは4試合で1失点とその役割を担ってくれそう。スアレスも上々の結果を残した。

 一方で先発候補のガンケルは3試合で防御率8.10。得点力不足解消の切り札として期待されているボーアは打率.200、本塁打なし、サンズも2本塁打こそしているものの、打率.238、四球もなしとやや苦戦の色が見えるか。

○広島
DJジョンソン投手
5試合1勝0敗0S 防7.71
4.2回 8安打 3本塁打 2四死球 6奪三振 4失点

テイラー・スコット投手
6試合0勝0敗0S 防3.00
6回 4安打 1本塁打 2四死球 5奪三振 2失点

ホセ・ピレラ外野手
9試合25打数10安打0本塁打4打点
2三振 2四死球 率.400 出.429

 広島のDJジョンソンは5試合に投げて4回2/3で8安打3被弾と苦戦。スコットは6試合を投げて2失点となっている。一方でピレラは打率.400をマークし、シュアなバッティングを見せ、期待を抱かせる活躍。オープン戦最後2試合を欠場した影響が気がかりだ。

“大物”エスコバーは打率.129と苦戦の色が見える

○中日
ルイス・ゴンサレス投手
5試合1勝0敗0S 防0.00
5回 2安打 0本塁打 1四死球 2奪三振 0失点

ヤリエル・ロドリゲス投手(育成)
2試合0勝0敗0S 防4.50
2回 2安打 1本塁打 0四死球 2奪三振 1失点

モイセ・シエラ外野手(育成)
5試合8打数2安打0本塁打1打点
0四死球 2三振 率.250 出.250

 ロドリゲスがオフにレンジャーズに移籍した中日。その代役候補として獲得したゴンサレスはオープン戦5試合に登板して無失点と結果を残した。課題の1つと見られていたセットアッパーは埋まりそうだ。育成のロドリゲス、シエラは支配下昇格に近づくほどのインパクトは残せなかった。

○ヤクルト
ガブリエル・イノーア投手
3試合1勝1敗0S 防1.80
10回 9安打 1本塁打 2四死球 7奪三振 3失点

アルシデス・エスコバー内野手
11試合31打数4安打0本塁打0打点
2四死球4三振 率.129 出.182

 2015年にゴールドグラブ賞を獲得し、鳴り物入りでヤクルトに加入したエスコバー。オープン戦では11試合でわずか4安打、打率.129と低迷し、バッティング面での適応はまだまだと言ったところか。イノーアは3試合で防御率1.80とまずまずで先発ローテを担うことになりそうだ。

 シーズンの開幕が延期となり、新たな開幕日が定まっていないプロ野球。新助っ人にとっては練習試合の間も、日本の野球に適応する時間になる。この間にどこまでアジャストできるか。チームの命運を左右する助っ人たちの働きに期待したい。(Full-Count編集部)