台風で避難を経験してわかった。家族を守る防災備蓄
地震や台風、最近では新型コロナウイルス。自分や家族を守るためにも非常時に対する備えが必要です。
今回は、ライフオーガナイザーの下村志保美さんが、自宅の食べ物の備蓄を紹介してくれました。
1人3日分の備えが必要です
災害が起こってから救援物資が届くまでと考えた場合の備蓄の目安は、3日分と言われています。
被災後の不安を抱えた状態で、食べるものの心配をしなくてはいけないのは、つらいもの。日頃から備えることで、非常時の不安や心配を少しでも取り除くことができます。
●非常持ち出し袋は軽く、防災備蓄はしっかりがコツ
冒頭の写真は、わが家の災害用備蓄食料の一部です。
そのまま食べられる乾パンやビスケット、お湯を注いで食べるタイプのレトルト、火を使わなくても温かいご飯が食べられるタイプの非常食を用意しています。
一戸建てのわが家はこの備蓄食をすぐに持ち出せる1階に置くべきか、キッチンのある2階に置くべきか迷っていました。
しかし昨年の台風の際、近くの川が氾濫するおそれがあり避難した経験から、洪水に備え2階のダイニングスペース上のロフトに置くことにしました。
●重くても持ち出しやすい仕組みを考える
しかしロフトは写真のようなハシゴで上り下りしますので、手に荷物を持ったままだと危険です。
そこで夫が持っている登山用のリュックに入れておくことにしました。
こうしておけばハシゴの上り下りもより安全ですし、家の外に持ち出す際も便利。リュックを有効活用することもできます。
ロフトのハシゴを上った場所に置いてあります。1人3日分の食料を目安に、いざとなったら持ち出せる重さにしています。
山の近くなのか河川の近くなのか、戸建なのかマンションなのか、階数や造りによって最適な備蓄場所は違ってくるかと思います。安全で持ち出しやすい場所や仕組みを探してみてください。
●水はローリングストックで使いながら備蓄しておく
長期保存できるお水は、飲む際にコップが不要な500mlがおすすめ。
真夏に被災したら、大きなペットボトルだと飲みきる前に悪くなってしまう可能性もあります。
しかしこの長期保存できるタイプのお水は割高。備蓄のすべてを長期保存タイプにするのではなく、普通のミネラルウォーターも併用しています。
普段の生活のなかで、消費しながら期限ぎれにならないようにするローリングストック方式で、コストを抑えた備蓄を続けています。
また、普段飲んでいる豆乳の賞味期限は半年程度。こちらもローリングストックしながら備蓄しています。
●屋外にも備蓄でさらに安心
家の外の駐車場にはティッシュや食品ラップ、寝袋などをアウトドア用のボックスに入れて備蓄しています。
もちろん大部分は家の中にもあるのですが、場所を分散することで万が一に備えています。
ポイントは中身を入れたボックスを運べるかどうか。
以前は灯油缶が3つ入るタイプの大きめのボックスに1つにまとめていましたが、重すぎて私一人では持ち上げることすらできなかったのです。
ペットシーツもトイレがわりに使えるかもと、こちらに入れています。
鍵のかからない屋外に置いてあるので高価なものは入れられませんし、温度変化のことを考えて食品は入れていません。
いつのまにか増えてしまうコンビニなどでもらうお箸やスプーンもわが家では普段使わないので防災グッズに入れています。
マンションの方もベランダや戸別の倉庫などがあれば、ぜひ活用してみてください。
●自分の命は自分で守る
昨年秋、わが家は近くの川が決壊するかも、ということで避難勧告が出ました。その際避難所からは「自分の食料は自分で持って来てください」と言われました。
もし災害に遭ったとしても、「避難所にたどり着けばなんとかなる」と思う人もいるかもしれません。避難所になる場所にはおそらく最低限の備蓄はあるでしょう。
しかし避難所にいる全員に十分な量が行き渡るかどうかわかりません。そもそも避難所に入れない可能性だってあります。そんなときに、家に備蓄があり、持ち出しもできるというのはとても安心なことです。
備蓄食は日常のものに比べると割高です。収納場所も必要になってきます。あるかどうかわからない災害のためにお金や場所を使うことにちょっと抵抗を感じるかもしれません。
だけど万が一が起こってしまったとき、一番家族を守ってくれるのは過去の自分が備えたものです。
●教えてくれた人
【下村志保美さん】
ライフオーガナイザー、ファイナンシャルプランナー、家計アドバイザー。「空間・お金・心」の3つを整えることで、忙しい女性をサポートする「PRECIOUS DAYS
」を主宰。著書に『片づけのプロが教える心地いい暮らしの整え方』
(三笠書房刊)がある
今回は、ライフオーガナイザーの下村志保美さんが、自宅の食べ物の備蓄を紹介してくれました。
最低限「1人3日分の備え」を準備しておきましょう
1人3日分の備えが必要です
災害が起こってから救援物資が届くまでと考えた場合の備蓄の目安は、3日分と言われています。
被災後の不安を抱えた状態で、食べるものの心配をしなくてはいけないのは、つらいもの。日頃から備えることで、非常時の不安や心配を少しでも取り除くことができます。
冒頭の写真は、わが家の災害用備蓄食料の一部です。
そのまま食べられる乾パンやビスケット、お湯を注いで食べるタイプのレトルト、火を使わなくても温かいご飯が食べられるタイプの非常食を用意しています。
一戸建てのわが家はこの備蓄食をすぐに持ち出せる1階に置くべきか、キッチンのある2階に置くべきか迷っていました。
しかし昨年の台風の際、近くの川が氾濫するおそれがあり避難した経験から、洪水に備え2階のダイニングスペース上のロフトに置くことにしました。
●重くても持ち出しやすい仕組みを考える
しかしロフトは写真のようなハシゴで上り下りしますので、手に荷物を持ったままだと危険です。
そこで夫が持っている登山用のリュックに入れておくことにしました。
こうしておけばハシゴの上り下りもより安全ですし、家の外に持ち出す際も便利。リュックを有効活用することもできます。
ロフトのハシゴを上った場所に置いてあります。1人3日分の食料を目安に、いざとなったら持ち出せる重さにしています。
山の近くなのか河川の近くなのか、戸建なのかマンションなのか、階数や造りによって最適な備蓄場所は違ってくるかと思います。安全で持ち出しやすい場所や仕組みを探してみてください。
●水はローリングストックで使いながら備蓄しておく
長期保存できるお水は、飲む際にコップが不要な500mlがおすすめ。
真夏に被災したら、大きなペットボトルだと飲みきる前に悪くなってしまう可能性もあります。
しかしこの長期保存できるタイプのお水は割高。備蓄のすべてを長期保存タイプにするのではなく、普通のミネラルウォーターも併用しています。
普段の生活のなかで、消費しながら期限ぎれにならないようにするローリングストック方式で、コストを抑えた備蓄を続けています。
また、普段飲んでいる豆乳の賞味期限は半年程度。こちらもローリングストックしながら備蓄しています。
●屋外にも備蓄でさらに安心
家の外の駐車場にはティッシュや食品ラップ、寝袋などをアウトドア用のボックスに入れて備蓄しています。
もちろん大部分は家の中にもあるのですが、場所を分散することで万が一に備えています。
ポイントは中身を入れたボックスを運べるかどうか。
以前は灯油缶が3つ入るタイプの大きめのボックスに1つにまとめていましたが、重すぎて私一人では持ち上げることすらできなかったのです。
ペットシーツもトイレがわりに使えるかもと、こちらに入れています。
鍵のかからない屋外に置いてあるので高価なものは入れられませんし、温度変化のことを考えて食品は入れていません。
いつのまにか増えてしまうコンビニなどでもらうお箸やスプーンもわが家では普段使わないので防災グッズに入れています。
マンションの方もベランダや戸別の倉庫などがあれば、ぜひ活用してみてください。
●自分の命は自分で守る
昨年秋、わが家は近くの川が決壊するかも、ということで避難勧告が出ました。その際避難所からは「自分の食料は自分で持って来てください」と言われました。
もし災害に遭ったとしても、「避難所にたどり着けばなんとかなる」と思う人もいるかもしれません。避難所になる場所にはおそらく最低限の備蓄はあるでしょう。
しかし避難所にいる全員に十分な量が行き渡るかどうかわかりません。そもそも避難所に入れない可能性だってあります。そんなときに、家に備蓄があり、持ち出しもできるというのはとても安心なことです。
備蓄食は日常のものに比べると割高です。収納場所も必要になってきます。あるかどうかわからない災害のためにお金や場所を使うことにちょっと抵抗を感じるかもしれません。
だけど万が一が起こってしまったとき、一番家族を守ってくれるのは過去の自分が備えたものです。
●教えてくれた人
【下村志保美さん】
ライフオーガナイザー、ファイナンシャルプランナー、家計アドバイザー。「空間・お金・心」の3つを整えることで、忙しい女性をサポートする「PRECIOUS DAYS
」を主宰。著書に『片づけのプロが教える心地いい暮らしの整え方』
(三笠書房刊)がある