NHK連続テレビ小説『スカーレット』でヒロイン・喜美子の夫、八郎を好演し、注目されている松下洸平さん。撮影中のエピソードや役づくりのために始めた陶芸について話してくれました。



『スカーレット』“八郎さん”が語る、朝ドラの見どころ



●街で“八郎さん”と呼ばれるのもうれしい

滋賀県・信楽を舞台に、女流陶芸家の草分けとなった女性の波乱万丈な人生を描く、NHK連続小説『スカーレット』。物語も佳境に入り、いよいよ目が離せません。松下さんが演じているのは、主人公の陶芸の師で、夫でもある川原八郎。公私両面のパートナーとして妻をよく理解し、優しく寄り添う姿にときめいた人も多いのでは?

「放送が始まって、いちばん驚いたのはSNSの反応です。インスタグラムのフォロワー数が一気に増えて、たくさんコメントしてもらえるようになって…。こんな状況はまったく想像もしていませんでしたし、街で声をかけていただく機会も増えましたね。“八郎さん”と役名で呼ばれるのもすごくうれしいです」

物語の途中から登場する八郎を演じるにあたり、意識したのは“違和感なくそこにいること”だそう。

「喜美子と八郎お互いが、“気ぃついたら好きになっていた”と言うように、当たり前のように彼女の横にいる存在になりたくて。そのためには、過度な表現をしないで、スッと物語に入って、スッと喜美子と溶け込むことを意識しました。ドラマを観ている方も、“気がついたら八郎のことを好きになっていた”と思っていただけたら最高ですね」

物語では、芸術家同士だからこそ、喜美子と衝突することも。そんな八郎を演じるなかで、共感する部分も多いと話します。

「ジャンルは違いますが、ひとつのことに一生懸命になるところは似ているかも。八郎は繊細な部分があるので、方向を見失って悩むこともありますが、ものづくりへの情熱や熱さは、台本を読み進めるなかで、共感できる部分も多かったですね」

●陶芸は奥が深いのでワクワクする

役づくりのために始めた陶芸は「こんなに、楽しいことはない」と魅力を語ってくれました。

「元々、ひとりで黙々となにかをつくるのが好きなタイプ。陶芸は奥が深いので、掘っても掘っても答えの出ない感じが、ワクワクするんです」

そう話しながら「見ますか?」と、焼き上がった器を取り出してくれた松下さん。まるでプロの作品のような仕上がりです。

「大阪で撮影の合間に練習を兼ねてつくったんですが、釉薬からなにからすべて自分でやりました。白のマットな質感とブルーの淡い模様を出すのが難しくて…。陶芸指導の先生に協力していただいて、何回も焼かせてもらいました」

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では、趣味のサウナや家事のこだわりなどプライベートな部分や、今後の目標にまでじっくり語ってくれました。こちらもぜひチェックしてみてください。

<撮影/前康輔 取材・文/ESSE編集部>

【松下洸平さん】

1987年、東京都生まれ。2008年にシンガーソングライターとして、’09年に俳優デビュー。以降、舞台やドラマで幅広く活躍。5月22日公開の映画『燃えよ剣』に、新選組・斎藤一役で出演予定。また、音楽活動の新たなスタートとして「KOUHEI MATSUSHITA LIVE2020“HEART”」を開催。(4月29日、大阪府・COOL JAPAN PARK OSAKA、5月1日、東京都・マイナビBLITZ赤坂にて公演)