RADWIMPS、東京事変…コロナで顕在化した“個人事務所のリスク”
新型コロナウイルスの影響で、コンサートを中止・延期するアーティストが相次いでいる。
2月26日にはPerfumeとEXILEがドーム公演を当日に中止し、大きな話題となった。
28日には、RADWIMPS野田洋次郎(34)が《自然災害等と違ってウィルスは興業の保険適用外となる。ドーム4カ所を含む今回のツアー、全部中止にした場合ウチのような個人事務所が生き残る可能性はどのくらいあるんだろうかと考える》とツイート。
3月20日から5月24日までのツアーを中止した場合の損害に言及した。《もし自己破産したら》という言葉も飛び出し、ファンに衝撃を与えている。
ここに来て明らかになったのが、個人事務所に所属するアーティストのリスクだ。
多くの興行中止保険は悪天候や交通機関の事故、出演者の傷害や疾病による出演不能が対象になったもの。感染症の流行は対象外なことが多い。中止になれば会場の費用、コンサート演出に関わる費用や人件費、機材レンタル費用などがのしかかってくる。大手事務所でも痛いが、体力のない個人事務所へのダメージは計り知れない。
大手事務所に所属していない有名アーティストは、意外に多い。3月5日からのツアー延期を決定した西川貴教(49)は、自身含む4組を扱う所属事務所の代表取締役だ。ツアー開催可否を悩んでいる時期には《中止や延期の補填も当然なく、開催して感染者を出せば関係者全員が、先ず間違いなくメディアやネットで袋叩きにあうでしょう》と、難しさを吐露している。
また2月29日からのツアー決行で賛否を呼んでいる東京事変も、椎名林檎(41)が代表取締役を務める小さな事務所だ。開催すれば批判され、中止すれば多額の負債がのしかかるという苦境に陥っている。
政府は13日、新型コロナウイルスで経営が苦しい旅館業などの中小企業向けに、資金繰り支援として5千億円を確保すると発表した。音楽業界にも支援を広げなければ、この先音楽を続けられないアーティストが出てきてしまうかもしれない。