海外メディアに絶賛されたタイソン・フューリー【写真:AP】

写真拡大

43戦無敗の王者を破った挑戦者に相次ぐ賛辞「今やはっきりと『キング』に」

 ボクシングのWBC世界ヘビー級タイトルマッチが22日(日本時間23日)、米ラスベガスのMGMグランドガーデン・アリーナで行われ、元3団体統一王者タイソン・フューリー(英国)が王者デオンテイ・ワイルダー(米国)に7回1分39秒TKO勝ち。引き分けに終わった2018年12月以来の“世紀の再戦”を制し、V10を誇る王者から王座奪取を達成した。米メディアも「議論の余地なし。世界最高のヘビー級選手だ」などと絶賛している。

 世界に衝撃が走った。フューリーは積極的に前に出て、3回に右のオーバーハンドをワイルダーの左側頭部にヒット。一気に流れを呼び込むと、5回にもボディーで2度目のダウンを奪取し、防戦一方となった王者を圧倒した。7回でレフェリーストップ。ラスベガスに熱狂を呼び、リング上で勝利の歌も熱唱するなど、フューリー劇場を世界に発信した。

 全米で中継した米スポーツ専門局「ESPN」は「ジプシーキングこと、タイソン・フューリーは今やはっきりと『キング』になった」と真の王様になったと認定。「多くの人が、フューリーがワイルダーに攻撃できるかということに対して懐疑的だった。しかし、フューリーはボクシングというより戦うことに真剣だったように思えた」と番狂わせを評した。

 米専門メディア「ボクシングシーン.com」は「フューリーは7ラウンドの中で2度もワイルダーを崩壊させた」「より重く、よりアグレッシブになったフューリーがワイルダーを倒した」と回顧。「フューリーは前回対決よりハードパンチャーと化し、フィジカル面も強化した人間になったことを見せつけた」と前回対戦からの進化を特筆した。

米記者「フューリーが世界最高、ジョシュアが2位、ワイルダーが3位」

 米専門メディア「ボクシングニュース24」は「ワイルダーは耳の怪我と唇の出血で、バランスが崩壊した」「彼は脳震盪を起こしていたのか? もしそうなら足が不安定になっていたことに説明ができる」と完全に足が止まった王者の異変をクローズアップ。「フューリーのジョシュアとの試合は誰もが認めるヘビー級の最強王者決定戦になる」と4団体統一戦に期待を込めた。

 さらに、米スポーツ専門メディア「ジ・アスレチック」のマイク・コッピンガー記者は、自身のツイッターで「今や議論の余地なし。タイソン・フューリーは世界最高のヘビー級の選手だ」と絶賛。「アンソニー・ジョシュアが2位、デオンテイ・ワイルダーが3位だ」と格付けし、目下のヘビー級戦線においてNo.1に君臨していると評価した。

 世界が注目した“世紀の再戦”で圧勝を飾ったフューリー。前評判は不利が予想されていたが、一気に評価を高めることになった。(THE ANSWER編集部)