「そのうち家飲み込むぞこれ」
「家族の履いてた靴を見つけて絶叫するやつだ」

そんな不穏な噂が立っているのは、とある公園にある遊具。どこかすっとぼけた表情をしているが、複数生えた足にはそれぞれ違う靴を履いている。背中にはデコボコした突起もあり、なんだか不気味だ。


こいつの正体が判明(投稿者提供)

Jタウンネットは2019年10月23日の記事「まさか飲み込んだ人の足...? クリーチャーにしか見えない公園の遊具がホラー」でこの遊具を紹介。その時点では遊具の詳細を知ることができなかったが、記事の配信後、読者から有力な情報が寄せられた。

「永田町独身寮横の公園だと思います。私も数年前ビックリして遊具好きの友達に画像を送りましたので」(読者談)

調べてみると公園は永田北一丁目第一公園(横浜市南区)であることが判明。Googleのストリートビューからも遊具の存在が確認できる。

Jタウンネットは10月23日、公園を管理している横浜市南土木事務所に連絡。これを販売しているのが遊具メーカーの中村製作所であることも分かったため、両者に詳しい話を聞いた。

設置当初は「気持ち悪がられていたようです」

中村製作所の広報担当者によれば、これはアメリカ製の遊具。受注生産品で、緑以外にも赤、青、黄色、オレンジなどのカラーバリエーションがある。

この遊具は何なのか。さっそく聞いてみた。

――これは何をモチーフとした遊具ですか。
担当者「イモムシです」
――どうやって遊ぶものなのでしょうか。
担当者「くぐったり、のぼったりの動的遊びをはじめ、お腹(背中)のところにテントウムシの絵柄があったりして知育的な遊びもできます。そのほか子ども達が自由に遊ぶことができるものです」

イモムシだったのかこいつ...。

デコボコな突起はテントウムシがくっついていただけらしい。人々が体内にいることを連想させる足元のユニークなデザインは、アメリカンジョークなのだろうか。念のため「このイモムシは人を飲み込んだのか」と担当者に聞いてみたが、「あり得ないです」と一蹴されてしまった。

また、横浜市南土木事務所の担当者によれば、永田北一丁目第一公園に設置されたのは2010年。当時の担当者はすでに外れており、設置した詳しい経緯は分からないという。ただ、どういう遊具を置くかは担当者が提案することができ、

「担当者の趣味というか意向で設置が検討されて、上長の確認が取れたので設置がされたということですね」

と取材に応じた担当者は説明している。

土木事務所の担当者によれば、このイモムシを模した遊具は、2010年頃にいくつかの公園に設置された。実際、平楽公園(横浜市南区)にも色違いのピンクの遊具が確認できる。

担当者はツイッターで話題になったことについて、

「設置した当時は不評というか気持ち悪がられていたようです。今は外してくれという声も特になく、馴染んできているのかなと思いますが...」

と話している。

ちょっとホラーなイモムシの遊具、あなたの近所の公園にもいるかもしれない。