高速道路上で起こる確率は一般道の2倍

 クルマとタイヤが高性能になって、道路の舗装がきれいになっても、パンクが身近なトラブルであることには変わりがない。2018年度のJAFのロードサービス出動理由でも、パンクはバッテリー上がりに続く2番目に多い出動理由で、年間424,877件(18.6%)もパンクでJAFにお世話になっている……。

 詳しく見ると、パンクなどのクルマのタイヤトラブルには、大きな特徴があって、一般道よりも高速道路のほうが圧倒的に発生件数が多いことがわかっている。

 JAFによると、一般道路のタイヤトラブルは全体の約20%なのに対し、高速道路は約40%と2倍になっているとのこと。パンクの原因は、主に以下のとおり。

・釘など異物がタイヤに刺さる

・空気圧の不足

・タイヤの側面を縁石等にこすりつける

 このほかに、ホイールリムの変形、キズや、いたずらといったケースも稀にある。このうち高速道路では、異物が刺さってスローパンクチャーというのは少数派で、一気にバースト(破裂)してしまう場合が多いのが特徴になっている。

 個々の原因については、JAFでもデータを収集していないそうだが、バーストが多い理由については、空気圧の不足を疑っているとのこと。高速道路での高速連続走行はタイヤへの負荷が大きく、空気圧が低下しているとタイヤのたわみ(変形)が大きくなる。

 空気圧不足で、たわんだ状態が長く続くと、タイヤが発熱し、最後にはバーストしてしまうというわけだ。これがいわゆる「スタンディングウェーブ現象」で、バーストまでいたらなくても、タイヤのトレッド面が剥離(セパレーション)することも珍しくない。

JAFの会員であればその場での修理が無料!

 タイヤのパンクに関しては、空気圧のチェック、溝の残量(異物の有無)、偏摩耗、サイドウォールの傷やひび割れなどの日常点検を怠らなければ、かなりの確率で防げることがわかっている。

 にもかかわらずJAFのアンケートによると、1カ月に一度、タイヤを点検している人は、全体の3割未満だったので、パンクの最大の原因は、タイヤの点検を怠っていたこととも言えるだろう。

 やはり1カ月に一度は空気圧を調整し、とくに高速道路にのる前は、空気圧チェックと目視点検を欠かさずやることで、パンクの危険を回避しておくことが重要だ。

 それでも運悪く異物などが刺さってパンクしてしまった場合は、安全な場所まで移動してJAFを呼ぶのがベスト。JAFの会員になっていれば、ガソリンスタンドなどと同等のパンク修理(外面修理)が無料で、しかもその場でOK。

 とくにスペアタイヤではなく、パンク修理キットしか持っていないクルマの場合は、JAFにお願いするのが最良だ(パンク修理剤を使うと、そのタイヤは原則として再利用不可になり、丸ごと買い替える必要があるため)。