「子どもの運動会で有休?社会人の自覚が足りない」と上司に嫌味を言われた父親に「素敵なお父さんですね」と称賛相次ぐ
秋の運動会シーズン。お子さんが活躍する姿を楽しみにしている親御さんも少なくないでしょう。9月中旬のヤフー知恵袋に、「子どもの運動会に有給を使うのは社会人として自覚が足りないのでしょうか?」という相談がありました。
相談者は、「来月、子どもの初めての運動会があります」という女性。夫は土曜が出勤日ですが、子どもの園行事を楽しみにしており、有休申請も規定である3週間前にすぐに提出しました。申請時には何も言われませんでしたが、昼休みに上司から「何かあるのか」と聞かれたので正直に答えると、
「たかが子どもの運動会に有給?奥さんだけ行けばいいだろ」
「社会人として自覚が足りないんじゃないか」
と、バカにしたように言われたそうです。(文:篠原みつき)
「むしろその発言した人が、親としての自覚が足りないんじゃないですか?」
妻によれば、夫は今までほとんど有休を使っておらず、仕事も熱心に取り組んでいるとのこと。「子どもの運動会に有給をとるのはそんなに珍しいことなんですか?」と不満げに問いかけていました。
この上司は今どきの運動会事情をまったく知らないようです。確かに40代筆者が子どもの頃には、父親が子どもの行事に来ることはほとんどありませんでした。しかし今は、むしろお父さんが場所取りやビデオ撮影、親子競技に励んでいます。可愛い我が子が頑張る姿を見られないなら、何のために働いているの?と会社を恨むこと間違いなしです。
この質問に対するベストアンサーは、「子供の運動会に有給を使うのは素晴らしいことだと思います。私は賛成です。家族の愛情は大切なものです」というもの。「おかしいという人の家庭は本当におかしくなってしまう」と厳しく指摘しました。
そのほかの回答も、「珍しくないですよ」など、ほぼ全てが「子どもの運動会に有休を取るのは普通」と書いています。
そして、上司に対しては、
「今の時代なら立派なパワハラですね」
「どんなブラック企業にお勤めなの?」
「むしろその発言した人が既婚者で子供がいるなら、親としての自覚が足りないんじゃないですか?」
などの批判が次々に上がりました。
その上で「とにかく、意味のわからないことを言っている人は気にしないで」など、相談者への励ましが寄せられました。
「悪いことをしてないから嘘なんかつかない」堂々と運動会に参加表明
有給休暇の取得は、法で定められた労働者の権利であり、2019年4月からは全ての雇用主に対して「年5日の年次有給休暇の確実な取得」が義務づけられました。厚生労働省は、日本は有休取得率が48.8%(2013年)と5割を下回る低さであるとして、実質的な有休消化を促しています。労働者が有休取得をためらうような発言を、上司がしてはいけないでしょう。
このため回答の中には、「社会人として自覚が足りないのは会社の雇用主のお方のほう」という非難も数多く上がっています。
夫の会社は有休を取り消すまではしていませんから、結果的に運動会には参加できます。しかし、またこんな嫌な思いをするくらいなら、「正直に言わない」「法事と言っておく」などのアドバイスも多々ありました。妻も同じように夫に言ったところ、夫は
「悪いことをしてないから嘘なんかつかない。堂々と子どもの成長を見届けてくる、とこれからも聞かれたら答える」
と答えたそうです。
とても素敵なお父さんで、こういう人が後々職場の雰囲気を変えてくれるのでしょう。回答には、「素敵なお父さん」「あなたの主人は良いパパですね!」など、称賛が相次ぎました。