阿部詩【写真:Getty Images】

写真拡大

柔道世界選手権、19歳阿部詩が女子52キロ級で連覇達成

 柔道世界選手権の2日目が26日、東京・日本武道館で行われ、女子52キロ級は昨年覇者の阿部詩(日体大)が金メダルを獲得した。決勝はロシア選手に得意の袖釣込腰で一本勝ち。兄・一二三(日体大)は男子66キロ級で準決敗退。昨年大会は日本勢史上初の兄妹優勝を成し遂げていた。

 2回戦から登場し、ブラジル人選手に開始1分36秒で隅落としによる一本勝ち。3回戦はウズベキスタン選手に2分58秒、大外刈りで一本勝ちを決めると、準々決勝は英国選手に技ありで優勢勝ちした。

 準決勝は2016年リオ五輪金メダルのケルメンディ(コソボ)と初対戦。消極的な姿勢の相手が指導を2つ受けた。阿部が技を打ち続けると、スタンドの少女から「詩ちゃん、ファイトー!」の声援が飛ぶ。決着がつかないまま4分が過ぎ、ゴールデンスコア方式の延長戦に突入した。阿部が2つ目の指導を取られると、場内からブーイングが響いたが、最後は横四方固めを決めて一本。苦手の寝技を繰り出し、7分15秒の激闘で五輪女王を下した。

 前回大会と昨年11月のグランドスラム(GS)大阪大会を制し、早々に今大会の代表に内定。今年2月に左肩を負傷したものの、5月のグランプリ・フフホト大会で優勝し、対外国人は40連勝で今大会を迎えた。この日は海外勢5人と対戦した。

 男女7階級の柔道で東京五輪に出られるのは1人ずつ。今大会優勝者が11月のGS大阪を制し、強化委員会出席者の3分の2以上の賛成を集めれば東京五輪代表となる。代表が決まらなかった階級は、来年2月までの主要国際大会終了時点の実績で判断され、最終選考会は4月の全日本選抜体重別選手権となる。(THE ANSWER編集部)