国際原子力機関(IAEA)の特別理事会に臨むイランのウィーン国際機関代表部のガリブアバディ大使(中央)=2019年7月10日、ウィーン、吉武祐撮影

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 イランの核開発をめぐって緊張が高まるなか、国際原子力機関(IAEA、本部ウィーン)で10日、特別理事会が開かれた。

 米国は、イランが国際合意で定める制限を超えた核関連活動に踏み切ったことを非難した。イランは米国の姿勢に反発し、激しいやりとりになった。

 理事会は非公開で、今回は米国が開催を要請。天野之弥(ゆきや)事務局長が事前に報告したイランの核関連活動の現状を踏まえ、各国が意見を表明した。

 IAEAは、イランが2015年に米欧などと結んだ合意で約束した核開発の制限を守っているかの検証を担う。理事会は実質的な意思決定機関で、35カ国で構成。四半期ごとの定例理事会でイランの核開発についても議論してきた。

 特別理事会で米国は、イランの制限破りを「国際社会から支払いを引き出すための下品であけすけな試み」と非難。核関連活動の規模を制限内に戻すよう求めた。また、イランに地域を不安定化させる行いやテロ支援をやめさせるため、核合意に代わる枠組みの交渉を呼びかけた。

 これに対し、イランは「米国の外交政策とその振る舞いは矛盾とうそで満たされている」と強く反発。米国が一方的に合意を離脱して対イラン制裁を再発動したため、災害時の医薬品供給に支障も出ている窮状を訴え、「我々には他に選択肢がない」と核開発の拡大を正当化した。

 イランは、合意の制限を破ったことについて、米国の制裁再発動で合意の経済的恩恵を失ったことへの対抗措置としている。