スマートフォンでは世界のトップグループに入るメーカーを輩出するにいたった中国では、技術先進国である日本に、世界でトップを争うようなスマートフォンメーカーがないことが不思議なようだ。(イメージ写真提供:123RF)

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 かつての「ガラケー」時代では、日本国内では日本メーカーの携帯電話が圧倒的なシェアを占めていたが、スマホが普及した今ではiPhoneがシェア1位となっている。日本メーカーのスマホは国内外を問わず、シェアを減らしているのは残念なことだ。中国メディアの快資訊は26日、「日本のスマホ技術はすごいが、それでも中国市場に討ち入るのは難しい」と題する記事を掲載した。

 中国でも一昔前は日本製の携帯電話は非常に人気が高かった。しかしスマホ時代の到来とともに中国メーカーの勢いに押され、今では中国で日本メーカーのスマホを見かけることはほとんどなくなった。記事によると、技術そのものに問題があったのではなく、理念が間違っていたのだという。

 記事は、日本企業は「すこし独りよがり」だと指摘。中国人の尊敬する匠の精神は今でも健在で、日本の技術は相変わらず「一流」だと称賛しながらも、自分の納得する製品の開発に集中するあまり、ユーザーのニーズを軽視していると分析した。

 また、「日本ではキャリアの力が強すぎること」も関係していると記事は分析。どのメーカーが作ってもキャリアのラベルが付き、型番でメーカーの違いがあるだけで、しかもメーカーへの利益配分がかわいそうなほど少ないため、メーカーも製造意欲がわかなくなるとしている。

 ほかにも、折り畳み携帯のレベルがあまりに高すぎたため、日本でスマホが普及するのが遅れた面もあるも指摘。現在、ソニーだけが海外でも受け入れられるスマホメーカーだが、ユーザーを無視して技術ばかりに集中していると、スマホばかりか他の分野でも淘汰され「日本が二流国家」に転落することさえあるかもしれないと警告している。

 新技術を追求するあまり、自己満足な製品となってユーザーを遠ざけてしまったというのは一理あるようだ。高品質の製品は一部のユーザーには受け入れられても、大抵のユーザーは最低限の機能があれば満足であり、それより価格を気にするものだ。スマホを始め日本企業は、ユーザーのニーズに合わせた製品作りと、よりユーザーの心をとらえるための戦略が求められるのではないだろうか。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)