年内最後の代表戦で、日本がキルギスに圧勝したね。前半と後半に2点ずつを奪って4-0だ。日本は16日のベネズエラ戦からスタメンを大幅に代えたけど、出場したメンバーの特長は出ていたし、2点を取るところまでは良かったよ。1点目が早い時間に入ったのもあって、日本ペースで試合を進められた。現代表であまり試合に出ていない選手たちが落ち着いてプレーできたと思う。
 
 実際、あのスタメンでどんな試合をするのかと思っていたけど、パフォーマンスは悪くなかったんじゃないかな。ただ、2点を取った後は気になったね。決定力不足というか、まずまずチャンスを作っていたのに、試合を決める3点目が取れなくて苦しんでいる様子がうかがえたよ。
 
 サッカーというのは、やっぱり試合を決める追加点が大事。決定的なシーンを逃していると、逆に相手に点を取られてしまう。キルギスはそこまで力のないチームだったから助けられた部分があったよね。
 
 そんな間延びした時間が続いているなと思ったタイミングで、森保監督はメンバーを変えた。そうしたら、狙い通りにリズムが変わったのは、この試合の最も興味深かった部分だ。南野や中島、堂安たちが入ってくると攻撃に迫力が生まれる。彼らは出場していきなり得点に絡んでいたし、その後も積極的に仕掛けていた。攻撃が停滞していたストレスを解消したんだ。
 
 こうした違いを見せられると、「スタメン」と「バックアップ」という位置付けが、ハッキリしてしまうよね。それくらいパフォーマンスが違った。サポーターのみんなも、僕と同じように感じているんじゃないかな。
 
 以前の日本代表は、本田や香川が途中から入ってくると攻撃のボリュームが上がっていたけど、今の中島や南野には、それと同じ雰囲気を感じる。中島や南野、堂安は、本田や香川と同等の迫力があるよ。スタジアムのお客さんは正直だから、やっぱり中島や南野たちが途中出場してきたら一気に沸いたからね。
 
 といっても、アジアカップでは選手層の厚さは絶対に必要だ。バックアップを見極めるという意味では、キルギス戦は有益な試合だったと思う。
 
 中島、南野といったスタメン組は間違いなくメンバー入りするとして、控え選手に誰を選ぶか。攻撃陣で言えば、高さは欲しいから、杉本か北川のどちらかは選ばれるだろう。どちらもキルギス戦でアピールできたとは言えないけど、引いて守ってくるアジアの相手に対して高さは欠かせない。怪我で辞退した鈴木優磨が回復すれば、彼の選出もあるかもしれないね。アジアカップは我慢して守ってという戦いには絶対にならないから、得点源になりうる人材を多く招集するはずだよ。
 
 一方の守備面は、バックアップの人選に悩むかもしれない。吉田のパートナーは誰になるのか。長友不在の左サイドバックは誰にするのか。森保監督もこれからじっくり考えるはずだ。
 
 森保ジャパン発足からの5試合で、ウルグアイのような強豪国とも試合をできたし、選手たちはそのなかで高いモチベーションを持って経験を積んできた。しかも結果が出て自信もついている。良い形でチームがまとまって、ここまでは順調のひと言だ。
 
 来年1月のアジアカップで、プレッシャーのなかでどれだけできるかは楽しみだよね。本番でもっと良いものが出せるメンバーだと思うし、好成績を期待できると思う。
 
 これまで森保ジャパンには、香川や乾といったロシア・ワールドカップで主力を担った一部の選手が呼ばれてないけど、来年のアジアカップで今のメンバーが良い成績を残せたら、世代交代が完了したと言えるかもしれないね。