全国麺類生活衛生同業組合連合会は、「全国ご当地・オリジナル麺選手権」と題した投票キャンペーンを実施している。麺料理の全国ランキングとグランプリを決める大会だ。


満留賀の「えび玉うどん」

前回、2018年11月15日から始まった全国大会の前に東京ブロックで1位に輝いた江戸川区のそば店「矢打」を取材。しかし、筆者は東京ブロック上位陣の中で気になる存在を発見した。

卵の黄色、そしてピンクの紅生姜とえびが目を引く「えび玉うどん」だ。大会公式サイトを見ると、チーズも入れられているという正に「キワモノ」。何がそんなに支持を集めるのか――。そこでJタウンネット編集部は、「えび玉うどん」を提供する満留賀を訪れ取材を行った。

アイデア勝負の名店

今回訪れた「満留賀」は京急空港線の大鳥居駅から徒歩10分程度の場所にある。閑静な住宅地を抜けた先にあり、とても羽田空港から近い場所とは思えない。


店の外観

中に入るとカウンター席といくつかの4人席が並んでいる。奥のカウンター上には緑の暖簾が下がり大衆居酒屋の雰囲気となっている。

筆者は2階に案内されたが、こちらは家庭的な雰囲気で時の流れがゆっくりと感じられるようなスペースだ。


2階の座席

席について真っ先に目に付くのがバラエティに富んだメニューの数々だ。マスタードうどんに飛行機の形を模した羽田そば。そしてエスニックうどんなど見たこともない斬新なメニューの数々に驚かされる。客席の雰囲気に反して食べ物はアグレッシブで攻めの姿勢が感じられた。

メニューに目を通している間に先に注文した「えび玉うどん」が登場した。


えび玉うどん

うどんらしからぬチーズの濃厚な香りが漂う。これは本当にうどんなのか――。あまりのカラフルさについ警戒してしまう。

口に運んでみると、お雑煮の餅と勘違いしてしまうほど柔らかで粘着性のある麺と濃厚なチーズの甘み、トロリとしたたまごの食感でノックアウトされてしまった。「蝶のように舞い、蜂のように刺す」美味のパンチが口中に炸裂した。

揚げえびは出汁を吸い込み、えびの風味が際立っている。そして紅生姜はその酸味と強烈さがアクセントなり、程よい刺激を与えてくれる。

カラフルな色彩は見た目だけでなく舌も楽しませてくれた。

しかし、このチャレンジ精神にあふれるうどんは何故生まれたのか。店主の武藤利浩さんに話を聞いた。

コンテスト映えはお手の物？

満留賀は創業から52年。長い歴史の中で武藤さんの時代を読む力と創作意欲でメニューが増えてきた。これらは評判を呼び、10年3月20日放送の「ぶらり途中下車の旅」（日本テレビ系）などでも取り上げられた。


店主の武藤利浩さん

「えび玉うどん」は2006年ごろに考案され、最初は今よりも大胆に「かけうどんの上にお好み焼き」をモチーフに作ろうとしていたものの、頓挫。当時大流行していた「チーズ」を使った料理として編み出された。

考案から12年、チーズのブームからは遠ざかったが、店にとっては外せない人気商品へと成長した。

「店の売れ筋が上位に入った」

話の通り、今回の大会にいくつかの品をエントリーしたが、やはり支持は「えび玉うどん」に集まった。

かつて数々の料理コンテストに出場した武藤さんは、

「どういうのが受けるかわかっている」

と話している。東京ブロックでは3位だったが、武藤さんの目論見が的中し、逆転で全国グランプリになる可能性は十二分にある。やはり、決戦の行方から目が離せない。

ちなみに今回の大会では、投票者の中から抽選で「JTB 旅行券10万円分」か「全国加盟店お食事券1,000 円分」が当たるプレゼントキャンペーンも実施される。さて、あなたはどの一品に票を投じるだろうか。