渋谷のハロウィンは、どうなるべきなのか(2015年撮影)

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逮捕者も続出した東京・渋谷のハロウィンについて、地元商店街のトップが「変態仮装行列」とテレビのインタビューで発言し、ツイッター上などで反響を呼んでいる。

その発言に至った思いについて、J-CASTニュースでは、渋谷センター商店街振興組合の小野寿幸理事長(77)に話を聞いた。

「ハロウィン本来の姿ではない」

「ハロウィンではなく、暴動ですね。みな怒り心頭ですよ」。小野理事長は2018年11月1日、取材にこう話した。

渋谷での騒ぎは、連日ワイドショーに報じられ、10月31日ハロウィン当日もテレビ各局が特集を組んだ。小野理事長は、いくつかの番組のインタビューに応じ、TBS系「あさチャン!」では、あきれた様子でこう怒りを露わにした。

「いやー、もう、ハロウィンじゃなくて、変態仮装行列ですよ!」

人がたくさん楽しみに来て賑わうのはいいものの、今回の騒ぎは、混雑から生じるリスク以上の問題だというのだ。

「変態仮装行列」については、ツイッター上で次々に取り上げられて、大きな話題になった。

「問題なのは一部の暴徒であり、コスプレ保護の観点からもその呼び名は推奨できない」との意見は一部であったものの、多くは凄い「パワーワード」だと共感する声だ。「言い得て妙」「まあ、そうなるな」「もう来年から渋谷でコスプレは禁止にしたほうがいいね!」などと書き込まれている。

小野理事長は、なぜこの言い方をしたのかについて、取材にこう打ち明けた。

「ハロウィン本来の姿ではなく、見たくないような恰好だということですよ。気持ち悪い血だらけの顔とか...嫌な気分になるようなものばかりですね」

路地などで...「ひっくるめて『変態』ですよ」

さらに、格好ばかりでなく、マナーもなっていないというのだ。

「路地に入って、外でオシッコやウンチをしていくんですよ。店が閉まっているので、エレベーターの周りでする人もいましたね。こうした意味で、ひっくるめて『変態』だということですよ」

ほかにも、ガラスを壊して道路に破片が散らばったり、トイレに物を詰まらせたりして、掃除に数日はかかる有様だという。

商店街では、自衛策として、店を早めに閉めてしまったり、ビンを割らせないようアルコールの販売を自粛したりしている。この影響で、全体の売り上げは、10月27日からの5日間で、3分の1に落ち込み、数億円の損失が出ているそうだ。

「来年は、ハロウィンを禁止してほしいという声が圧倒的ですね。責任者がいないので、イベント化するか、それとも禁止するか、2つに1つでしょう。今後、区や警察と話し合いたいと思っています」

振興組合には、「お前こそ変態だ」と苦情も来たというが、ほとんどは「よく言った」とする共感の声だという。

協賛金でトイレ12基設置も、「足りていない」

渋谷区の環境政策課に11月1日に聞いたところ、区民の有志でゴミ対策の実行委員会を作り、企業からの協賛金などを元に、2年前から仮設トイレを設置している。今回は、センター街の周辺などに計12基のトイレを用意した。しかし、「予算や場所の問題で、足りていないのでは」と担当者は言う。

長谷部健区長は、犯罪が相次ぐ事態に「到底許せるものではない」とするコメントを出し、19年は有料のイベントとしたり、近くの代々木公園に誘導したりする考えをマスコミ取材に明らかにした。

同課では、「現状では、主催者がおらず、個々人の主催で騒いでいる状況です。参加者に規則を設けた川崎市のハロウィンイベントみたいにしてほしいとの声があり、来年は、場所を借り切ってイベント会場にすることなども検討しています」と話している。

(J-CASTニュース編集部 野口博之)