(左から)ヴィッセル神戸FWポドルスキ、浦和レッズDF槙野【写真:Getty Images】

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ケルン時代にともにプレーした元ドイツ代表FWと6度目の対戦で初マッチアップか

 浦和レッズの日本代表DF槙野智章は、23日のJ1第27節で対戦するヴィッセル神戸の元ドイツ代表FWルーカス・ポドルスキについて、ブンデスリーガのケルン時代に同僚としてプレーした時の「5万人をひと言で静めた」という思い出とともに優れた人間性を語った。

 ポドルスキは昨季から神戸でプレーしているものの、浦和と神戸が対戦したこれまで5回の公式戦では一度もマッチアップが実現していない。槙野かポドルスキのどちらかが負傷欠場し、ルヴァンカップでの対戦は槙野の日本代表選出と重なった。それだけに槙野は「ピッチでは対戦していないのに、連絡を取るしプライベートでは会っているという不思議な関係でしたけど、順調に行けばマッチアップできる。楽しみにしています」と意気込んだ。

 ケルンでは2011年に1年間一緒にプレーしたが、槙野は「彼が持つ左足もそうですし、プレーヤーとして素晴らしいのは誰もが知っていると思います」と話し、元同僚だからこそ分かるポドルスキの人間性について、エピソードを交えながら語った。

「僕が素晴らしいなと思ったのは、彼がひと言でケルンの大サポーター5万人を静まり返らせたんですよ。大観衆がワッと押し寄せた時に、彼が『止まれ』と手を出しただけで全員が止まったんですよね。それくらい、彼のひと声やジェスチャーでいろいろな人の心を動かせるんです」


「選手としても、一人の人間としても素晴らしい」

 槙野によると、残留争いの厳しい試合が続くなか、ケルンのサポーター同士でも揉め事が起こるような状況があったのだという。それを、ポドルスキが一瞬で制する姿が忘れられないと振り返った。

 初の海外移籍となった当時の槙野は「ドイツ語も文化も分からないなかで、彼が仲良くしてくれたことで僕もチームに入り込めた」と、今でも感謝の気持ちがあるという。そして、2011年3月に東日本大震災が起きた際には「僕と一緒に日本へのメッセージを送ってくれたんですよ。すごく人として温かいところがあると思っています。選手としてもそうですし、一人の人間として素晴らしい」と元同僚を称えた。

 神戸に今夏加入した元スペイン代表MFアンドレス・イニエスタ効果もあり、当日のチケットは完売して大観衆での試合が予想される。中盤に君臨するプレーメーカーはもちろんのこと、槙野とポドルスキによる日本での初マッチアップも注目ポイントの一つだ。


(轡田哲朗 / Tetsuro Kutsuwada)