カーティス・ハーパーによる“衝撃の失格劇”が世界に反響を広げている【写真:Getty Images】

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ボクシングで起きた珍事を各国も続々報道「1秒での失格に衝撃」

 米国のボクシングで起きた“衝撃の失格劇”が世界に反響を広げている。試合開始のゴング直後に選手がリングを降り、前代未聞の珍事に実況席は「わ、わ、私は混乱しています」と唖然。米メディアもこぞって特集し、紹介された動画も再生200万を超える事態となっていたが、英国、豪州など各国メディアも「かつて見たことがない1秒での失格に衝撃」などと続々報じている。

 1人のボクサーがゴング直後に取った行動の反響は世界に広がった。米ミネアポリスで行われ、スポーツ専門局「FOXスポーツ」のイベントとして「プレミア・ボクシング・チャンピオンズ」の前座として組まれたカーティス・ハーパーとエフェ・アジャグバの6ラウンド戦だった。

 試合開始を告げるゴング。それまで引き締まった表情で向かい合っていたが、ハーパーがまさかの行動を取った。いきなり踵を返し、ロープをくぐるとリング外へ。階段を降りて花道に歩みを進めたのだ。騒然とする場内。取り残されたアジャグバとレフェリーも呆然と立ち尽くしかなかった。

 しかし、ファンからのブーイングもお構いなしに数十メートルの花道を平然とゆっくり歩き、ハーパーは姿を消していった。FOXスポーツは公式ツイッターに動画付きで公開。「これは新しい…」とつづって驚きをもって伝え、中継していた解説も解説も「これは人生で一度も見たことがない」「わ、わ、私は混乱しています」と唖然とし、動揺を隠し切れなかった。

 米メディアによると、このまま失格となったというが、行動の原因はファイトマネーの金額に不満を持っていたことだったという。とはいえ、前代未聞の行為であることには違いない。米メディアも動画付きで続々紹介していたが、衝撃の一部始終は国内のみならず、世界に拡散されている。

英メディア「必見」、トレーナーも絶句「狂気じみていた」

 ボクシングが盛んな英紙「インディペンデント」電子版は「必見:金銭への抗議として、カーティス・ハーパーが即座にリングから立ち去る」、英高級紙「ガーディアン」電子版は「ボクサー、カーティス・ハーパーは、ヘビーウェイト級のオープニングベルとともにリングから去った」と動画付きで紹介した。

 また、豪メディア「news.com.au」も「アメリカ人ボクサーが1秒でリングを後にする」と特集。「ボクシング界はヘビーウェイト級ボクサーの奇妙な立ち去りによる『かつて見たことがない』1秒での失格という出来事に衝撃を受けている」と報じ、アジアに拠点を置くFOXスポーツアジアもSNSで動画付きで紹介している。

 一般紙である米大手紙「ニューヨーク・ポスト」電子版は「ファイターが奇妙なことに消え去ってしまい、ボクシングの試合が1秒しか続かなかった」と見出しを打って特集。ハーパーのトレーナー、ネイト・キャンベル氏が試合後にフェイスブックに投稿したメッセージを紹介している。

「狂気じみていた。私だってとてもバツの悪さを感じたよ! 彼は自身のことも、奥さんもファンもそして私のことも、全てを軽視している!」とつづったといい、陣営にとっても驚きが大きかったようだ。記事では「これは、間違いなくボクシングにおける新たな一章となった」と記している。ハーパーの名前は花道を悠然と去る、その姿とともに世界に広がってしまった。(THE ANSWER編集部)