江西省にある有名観光スポット・廬山のある廬山観光風景区が今年5月から来年12月まで、日本など外国人観光客に対して必要な書類を提示すれば無料で観光できる優遇策を打ち出した。(イメージ写真提供:123RF)

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 中国メディア・東方網は10日、中国国内の著名な観光地で、日本人を含む外国人観光客には無料で開放される一方、中国人からは料金を徴収するとして中国国内で議論が起きていると報じた。

 記事が取り上げたのは、江西省にある有名観光スポット・廬山だ。「廬山は雄・奇・険・秀という4つの文字で形容される、中国の10大名山の1つだ。そして、中国を代表する避暑地にもなっており、毎年多くの国内観光客が続々とやってくる」としたほか、その美しさや勇壮さを古代の文人たちの多くも称賛しており、李白や蘇軾が残した廬山に関する詩を紹介した。

 そのうえで「古よりもてはやされてきたこの名山が今、人びとによる大きな議論を巻き起こした」とし、その議論が、廬山観光風景区が先日打ち出した新たな施策に端を発すものであることを伝えている。

 記事は「同区は今年5月から来年12月まで、日本など外国人観光客に対して必要な書類を提示すれば無料で観光できる優遇策を打ち出した。一方、中国人観光客は通常の半額の優待価格で入場券を購入可能となっており、この規定が直ちに人びとから『不公平だ』といった多くの罵声を浴びたのだ」とした。

 そして、この件について中国のネットユーザーから「これだから中国人観光客はみんな国外旅行をしたがるのだ。自国の観光スポットなのに、中国人を無料にせずに外国人を無料にするなんてどういうことだ。こんなことをして、中国国内の観光業の発展にどんなメリットがあるのか」との不満が寄せられたことを紹介している。

 一時的に外国人観光客の入場料を無料にしても経済的には大きな痛手にならず、今後のさらに多くの人を呼び込むためのPRになる。一方で、莫大な量を誇る中国人観光客の入場料を全てタダにしてしまえば経済的なダメージは大きい。そう考えれば合理的とも言えそうな措置だが、ダブルスタンダードが中国の市民にしてみればおもしろくないのも、理解はできる。(編集担当:今関忠馬)(イメージ写真提供:123RF)