「一度出社すると3か月監禁」「日本国の法律は適用されない」 ブラック企業エピソード大賞に集まった地獄の体験談
日本リーガルネットワークは7月5日、「ブラック企業エピソード大賞」を発表した。4月下旬から6月上旬にかけて募集した結果、300件を超えるエピソードが寄せられたという。
1位は、現在宮城県でIT・情報通信業に従事する20代男性が投稿したエピソード。
「基本給は、社長親族及び親会社の役員親族以外は、正社員でありながら6万9千円。毎日8時から翌朝4時まで勤務」
「休みは、月一回土曜日の午前中のみで、時間外手当は1円もでません。なんと時給換算で、時給120円台です。残業代は、経営者の気分が良ければ、100時間毎に1万円支給でした」
と、どこから突っ込めばいいのか困ってしまうようなブラックさだ。
「過労で体調崩して搬送され、息を引き取る社員もいました」
さらにこの職場では、タイムカードは上司が自由に書き直せるよう鉛筆で記入する必要があったり、認印を個人が所持することは禁止されたりしていたという。
「帰宅は、お偉い様親族以外は、決裁が下りないと帰れません。(中略)一度出社すると、半監禁状態で3ヶ月帰れない事もあります。アパートの電気を消し忘れて、郵便物や新聞が溜まり、勝手に不動産会社と警察から孤独死を疑われて家に勝手に入られたりもしました。ただ実際、過労で体調崩して搬送され、息を引き取る社員もいました」
経営陣からは、
「社内では、日本国の法律は適用されない」
「『私は休みいりません』って言え!」
「社員は消耗品」
などと言われた上に、
「退職しようとすると、違約金300万払えと言われて、目の前で退職届を破かれました」
とも明かしている。日本リーガルネットワークは大賞に選出した理由を「法律無視の経営者、超長時間労働、最低賃金以下の給料、退職希望者への脅迫、タイムカードの改ざん等のブラックなポイントが揃っている上、過労死という最悪の結果を引き起こしている非道さ」と説明している。
「残業が200時間を超え、休みは1日もなし。2週間入浴できなかった」
2位は大手飲食チェーンに新卒入社した男性のエピソードだ。こちらも地獄のようだ。
「入社1年も経たないうちにいつの間にか残業100時間以上は当たり前の世界になっていき、最もキツい時期は2ヵ月続けて残業時間が200時間を超える日々が続きました。このとき、当然休みは1日も取れませんでした。(中略)3時間寝たら、24時間働くみたいな状態でした」
「結果的に2週間風呂に入れてないということになりました。衛生面に気を遣わなければならない飲食店では由々しき事態です。この2ヵ月は身体が壊れてくれれば休めるのにと思うばかりでした。壊れることはありませんでしたが」
その後、続く睡眠不足と過労で、高速道路のトンネルで単独事故を起こしてしまったという男性。この企業では2年と少し働き、辞めたそうだ。
3位以下にも、
「先輩がプレス機に指を挟んで潰してしまいました。本来であれば業務停止になるはずが、労災を使わせずにその事実を隠蔽して営業を行っていました」(20代男性、製造業)
「給料は多くて3万なのにオーナーは税金対策で28万位で申告しててその分の税金は親にお金借りながらこちらが払う日々」(30代女性、サービス業)
といったエピソードがランクインした。