ジダン監督、電撃辞任…レアル主将のS・ラモス、3カ月半前から予感?

写真拡大

 ジネディーヌ・ジダン監督の電撃辞任という、フットボール界を震撼させるサプライズに見舞われたレアル・マドリード。チャンピオンズリーグ(CL)3連覇達成からわずか5日後に起きた衝撃は、フロレンティーノ・ペレス会長の「まったく予期していなかった」との言葉通り、クラブ関係者にとっても青天の霹靂だった。ところが、主将のスペイン代表DFセルヒオ・ラモスだけは、指揮官との別れを予感していたようだ。

 遡ること3カ月半の2月14日、ホームでパリ・サンジェルマン(PSG)を3−1で破ったCL決勝トーナメント1回戦ファーストレグ後の囲み取材で、S・ラモスはジダン監督がシーズン後に退任することを示唆する、驚きの発言を行っていた。

「あなた方は、レアル・マドリードが再びCLを制覇すれば、ジダン監督は続投すると決め付けているようだ。だが、そう考えるのと同じだけ、サプライズを聞く可能性だってある。CLを制覇したとしても、退団を選ぶということだ。少し休養が欲しくなることだって十分に考えられるからね。それは誰にも分かりはしない…」

 奇しくも予感が現実となったS・ラモスだが、CLのトロフィーを挟んでジダン監督と撮った優勝パレードでの写真をツイッターに載せるとともに、退任を決めた指揮官に感謝のメッセージを贈った。

「ミスター、あなたは選手としても監督としても最も高いところで別れの決断を下した。フットボール、仕事、愛情、友情に満ちたこの2年半に感謝しています。あなたが去っても、あなたの遺産は不滅です。僕たちが愛するレアル・マドリードの歴史において、最も成功に満ちた章の一つとなった」

 一方、ジダン監督も退任会見で、主将として自身を支えてくれたS・ラモスに感謝の意を述べている。

「チーム全体に別れのメッセージを送った後、まずセルヒオと話をした。彼とは現役時代も一緒にプレーしており、これまで多くの物を分かち合って来た。今回は私の決断を尊重し、幸運を祈ってくれた。彼と再び一緒に戦えたこの3シーズンは大きな喜びだった」

 過去の予言めいた発言が的中したことで、思わぬ形で脚光を浴びることとなったS・ラモス。ジダン監督の言葉通り、選手の中で最も近い存在だったからこそ、指揮官の心の底を垣間見ることができたのだろう。