日本大学アメリカンフットボール部の「悪質タックル」をめぐり、日大の内田正人監督が、負傷させた関西学院大の読み方を「かんさいがくいん」と言い間違えたことが、さらに波紋を広げている。

関西学院大は「かんせい」学院大学と読むのは、関西では常識とも言えるのだが......。あのタイミングで「相手の大学の名前を言い間違えるとは......」と、憤慨する声が多い。

そんななか5月20日、「『読み方はっきりさせよーや』 サッカーでも『関西』問題」という記事が、神戸新聞から報じられた。「関西」の読み方を巡って、学生サッカー界でも話題になったばかりだという。なにがあったのだろう。

「かんせい」は、創立1889年(明治22年)以来......


サッカー関関戦の告知ポスター(関西学院大サッカー部ホームページより)

写真上は、5月3日に行われた「第63回関関サッカー定期戦」の告知ポスターだ。同じ関西の文字でありながら、関西(かんさい)大学と、関西(かんせい)学院大学では、読み方が違う。しかし、それを承知の上のギャグのようなものだろう。関西の読み方、「どっちやねん」「このさい、はっきりさせよーや」というのは、おそらく60年以上の伝統のある、年季の入った定番ネタなのだろう。

ツイッターにもさまざまな声が寄せられている。

世の中に蔓延する関西トラップとして、「関西学院大学」→「かんせい(くゎんせい)」がくいんだいがく、といった例が紹介されている。このツイートには、2万を超える「いいね」が付けられている。

「なんか関西って読みづらい大学おおくない」といった、主に関東の人からの感想だ。関東では、関西学院大についてよく知らない人が多いようだ。「関学はクヮンガクなので気をつけてほしい」というコメントもあった。こちらは関西の人のからの投稿だろう。


関西学院大学時計台(旧図書館)。登録有形文化財(Miyaさん撮影、Wikimedia Commonsより)

そこで、関西学院大学とはどんな大学か、一応調べてみた。

関西学院大学は、1889年、アメリカ南メソヂスト監督教会派遣の宣教師ウォルター・R・ランバスによって、創立された。当初は、神学部と普通学部の2つの学部から始まったとされる。現在は、神学部、文学部、社会学部、法学部、経済学部など11の学部を持ち、兵庫県西宮市にある西宮上ケ原キャンパス、西宮聖和キャンパスなど5つのキャンパスに、2万人以上の学生が学ぶ、関西を代表する私立大学の一つだ。

もちろんアメフトの強豪校としても知られている。関西学生アメリカンフットボール連盟所属で、リーグ1部で最多優勝、甲子園ボウルでの最多優勝を誇っている。またサッカー、ラグビー、バスケットボールなどでも名門校として知られている。

また問題の「関西」の読み方について調べてみると......、関西学院大学ウェブサイト内入試課ページに、次のように記載されていた。

関西学院大学は、「かんせい」学院大学と読みます。どうして、このような読み方になっているのでしょうか。
関学が設立されたのは1889年。明治22年の日本では、東京を「とうけい」というように漢音読みにすることが多かったようです。ですから当時は「関西」も「かんせい」と読んでおり、関学の校名もそのままの読み方でつけられました。校名からも118年をかぞえる関学の長い歴史が感じられます。
ちなみに発音は「くわんせい」となり、関学の英文表記も「KWANSEI GAKUIN」となります。

「かんせい」には100年を超える歴史があったのだ。