日中におけるプロサッカーの歴史はほぼ同等であるが、日中のサッカー代表の差はどんどん大きくなっているようだ。(イメージ写真提供:123RF)

写真拡大

 中国では1994年にプロサッカーリーグが設立され、多くのファンを抱えるまでに成長した。だが、近年の中国代表は2002年に開催された日韓ワールドカップに出場した以外には目立った成績を残せていない。中国メディアの今日頭条は11日、「中国サッカーはどれだけ腐っているのか」と疑問を投げかける記事を掲載し、2012−13シーズンに中国スーパーリーグの杭州緑城で監督を務めたサッカー元日本代表監督の岡田武史氏が語った中国サッカーの問題点について紹介している。

 記事はまず、日中におけるプロサッカーの歴史はほぼ同等であるが、日本代表はワールドカップの常連国となったのに対し、中国代表は日韓ワールドカップに出場して以降は低迷していると指摘。その結果、日中のサッカー代表の差はどんどん大きくなっていることを強調しているが、では中国サッカー界のどのような点が問題となっていて、成長を阻んでいるのだろうか。

 記事は、中国スーパーリーグの杭州緑城の監督を務めた経験を持つ岡田武史氏の言葉を紹介している。岡田氏の考察によれば、中国サッカークラブの選手の管理方法に問題があるのだという。中国のサッカー選手は寮生活が多いが、選手が私生活と仕事を混同してしまい、サッカーに必要な「自立心」や「判断力」が培われていないと指摘した。

 続けて、選手1人ひとりが「サッカーに真面目に取り組んでいない」ことを指摘している。岡田氏によると、「日本ではサッカーが好きでサッカー選手になるが、中国では違う」らしい。中国の選手はあくまでも生計を立てるためにサッカーをプレーしているに過ぎず、それゆえ練習に遅れて到着し、時間どおりに到着しても練習時間の前に自発的に練習することもないという。また、練習が終わればすぐに帰ってしまうのが中国の選手であると指摘し、こうした環境が中国サッカー界の問題点であると指摘した。

 最後に記事は、中国のサッカー選手が岡田監督について、「こんなに優れた監督には初めて出会った」と語っていることを紹介し、中国サッカー界が低迷した原因の1つに中国のサッカー指導者の質の低さがあることを指摘している。岡田氏の監督業引退のニュースは中国でも報じられているが、岡田氏が中国に残したことを大切にすれば中国サッカーも浮上のきっかけが掴めるのではないだろうか。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)