開口一番、その歌はこんな歌詞で始まる。

「ほん↑じょう↓? No!No! ほんじょう→
ほん↑じょう↓? No!No! ほんじょう→」

これは、埼玉県本庄市のPR動画の1つに用いられている曲だ。キャッチーな旋律に本庄、本庄と連呼し続ける歌詞がやけに耳に残ってしまうが、実は本庄市が募集したPR動画の中で最優秀賞に輝いた作品だ。


「はにぽん」のお面をつけて手を叩く子供たち(「ほん☆joyful!」の動画より)

「本庄」のイントネーションは「根性」ではなく「温情」

この動画は「本庄まち歩き」をテーマにした「ほん☆joyful!」。2018年2月28日に、YouTubeの埼玉県公式アカウント「サイタマどうが」に公開された。

2016年度に本庄市が募集した市のPR動画の最優秀作品で、ガソリンが安い、軽井沢や秩父まで50分で行ける、熊谷より実は暑い、災害が少ないなどの特徴があるということをノリノリで歌い上げている。動画中には本庄市のこどもたちマスコットキャラクターである「はにぽん」も登場する。

動画は普通の撮影に字幕を乗せただけというシンプルなもの。「本庄」のアクセントには並々ならぬこだわりがあり「根性」ではなく「温情」のイントネーションで言うのが正しいようで、PR動画でもそれをことさらに強調している。

「ほん☆joyful!」の制作者である、本庄市出身のフリー作曲家・清水義直さんに、Jタウンネット編集部が18年3月19日にツイッターを通して取材を行ったところ、

「埼玉県本庄市がPR映像の公募を行っていたので応募をしました。テレビなどで本庄市がアナウンスされる時、アクセントが違うことに寂しさを覚え歌で知らせていけたらと思いました」

など、動画制作の経緯を語る。評判についても、「市長含め地元で喜んでいただいております」と説明している。

本庄市で「ほんじょう」のイントネーションに関して議論になっているのかを聞いたところ、

「現在、JR本庄駅などに駅内アナウンスを修正してほしいという声は増えつつあります」

と、本庄市内でも問題意識は高いことをうかがわせた。今後も動画制作を行うのかを聞いたところ、

「2017年度のPR映像も最優秀賞をいただきまして、4月1日より公開されます。今回は地元JAも協力いただき、農産物を題材にしております」

と語った。