エンゼルス・大谷翔平【写真:Getty Images】

写真拡大

周囲の声はシャットアウト「他とは一線を画した評価をする」

 16日(日本時間17日)に先発したロッキーズ戦で、1回1/3を投げて2被弾を含む7安打7失点(自責7)と乱調だったエンゼルス大谷翔平投手。メジャーで“二刀流”実現を目指す23歳だが、ここまで打者としてはオープン戦8試合に出場し、20打数2安打、打率.100、投手としては実戦4試合に先発し、合計8回1/3を投げて19安打17失点とアジャストに苦しんでいる。

 今季メジャー開幕が29日(同30日)に迫る中、開幕メジャーが危ぶまれる声も聞こえるが、エンゼルスのビリー・エプラーGMは「彼はまだ完成品じゃない。23歳で完成した選手なんて滅多にいない。25、26歳から30歳くらいにピークを迎えるものだ」と目先の結果にこだわらない姿勢を示したという。地元紙「ロサンゼルス・タイムズ」電子版が伝えている。

 この日は初回こそ最速98マイル(約158キロ)の速球で相手打線を圧倒したが、2回に突如崩れた。試合後の会見では「1イニング目よりしっかり腕を振っていなかった」と乱調の要因を自己分析。米メディアからはマイナーで開幕を迎える可能性についての質問も飛んだが、大谷は「それは監督であり、スタッフの方が決めることなんで、1日1日本当に自分なりにやっていきたいと思います」と話すにとどまった。

 鳴り物入りで海を渡っただけに、外野は目先の結果を求めがちだが、エプラーGMは違った見解のようだ。「我々エンゼルスという宇宙の中では、他とは一線を画した評価をするんだ」と周囲の雑音には耳を貸さないことを断言。「一通り揃ったツール、能力、運動神経を見れば、彼はエリート級のプロスペクト(有望株)。彼はまだ完成品じゃない」と話し、成長過程にあることを強調したという。

 また、大谷を巡る状況について、NPBは「非常にいいリーグ」としながらも「3Aで圧倒的な成績を残しているが、メジャー経験のない優秀なプロスペクトを持つチームと一緒」と表現。記事によれば、エプラーGMは大谷が開幕ロースター入りする確約は与えなかったという。

 同時に、二刀流実現のために真摯に野球と向き合い、努力する大谷の姿を高く評価している。

「数多くの人々が彼を応援している。それというのも、その情熱、姿勢、やる気に触れたからだ。これはやらせじゃないだろ? みんなが現実のものとして考えている。彼を知れば知るほど、その情熱が伝わってくるんだ」

 周囲を虜にするほどの情熱を野球に注ぐ大谷。その努力が報われる日は必ずやってくるだろう。(Full-Count編集部)