大谷翔平「初めての一人暮らし」は家が広すぎて寂しいと…
2月15日、大谷翔平キャンプイン2日目。今日は初めてブルペンで投球練習を披露した。合間にインターバルをとりながら36球。全球種を投げたという。大谷の球を受けた正捕手のマルドナドは「ほとんどストライクゾーンに来ていて驚いた」と感心しきり。
大谷は鎌ヶ谷でもメジャー球を使っていたが、気候の違いなのかフィーリングが少し違って感じたらしい。
一方、昨日に続いて行った打撃練習では、35スイング中12本の柵越え。まだ2日目なのに、こちらの練習に慣れてきたということだが、これまでメジャーに来たどの日本人選手より、適応のスピードが速いようだ。これも若さなのか。
それにしても、練習時間はずいぶん短い。朝10時半に選手がグランドに出てきて、午後1時にはきっちり終了。正味2時間半の全体練習で終わりだ。
日本のプロ野球キャンプもいろんな球団を取材したが、だいたい朝9時から午後4時までは監督も選手もグランドにいる。場合によっては、夕飯をはさんで夜間練習まで強要する球団もある。
いったい、どうしてこんなにメジャーは練習が少ないのか。
実のところ、全体練習の時間が短いだけで、個人練習に割く時間はむしろメジャーの方が長かったりもする。
早い選手は朝6時には球場入りして打撃ケージで黙々と打ち込んだり、ウェイトに汗を流したりする。全体練習が始まる時間には充分身体がほぐれ、即練習開始できるというわけだ。
練習内容も濃い。基本的に練習グランドが何面もあるので、グランドをローテーションしながら効率よくこなしていく。そう、休む間がまったくないのだ。
ただし練習終了後はさっさと帰路に就く選手が多い。キャンプに奥さんを連れてきている選手が大半なので、午後はショッピングに行ったりゴルフをしたり、普通に家族と過ごす。
さて、大谷はもちろん独身で、生まれて初めての一人暮らしをアメリカですることになる。ロサンゼルスで借りた部屋は3ベットルームもある広い家だそうだ。キャンプ地へ来る前に数日過ごしたそうで、そのことを聞かれると「家があまりにも広くて淋しかったです」とのこと。
メジャーでの活躍は、まずはその寂しさに打ち克つところから始まるのだ。
写真・文/西山和明
スポーツ誌「Number」の専属カメラマンを務めた後、同「バーサス」の創刊時からフォトディレクターとして写真全般に関わる。現在はフリーのカメラマンとして、アメリカ大リーグや日本のプロ野球、サッカー日本代表、バスケットボールBリーグなどスポーツ全般を撮影する。著書に『トップアスリートの決定的瞬間』(PHP研究所)など