何かに使えるわけでもないが、ついついコレクションしたくなるもののひとつが「カード」だ。目的のカードを得るために、ひたすらウエハースやポテトチップスを食べた経験がある人もいるだろう。

カードになるのはスポーツやキャラクター物というイメージも強いが、最近は「ダムカード」「マンホールカード」と、インフラや設備がカード化され、地方自治体や公共機関によって各地で配布されている。

そんな公共インフラカード界(?)に2018年1月22日、横須賀集客促進実行委員会(横須賀市、横須賀商工会議所、京急電鉄)から新たなカードが乗り込んできた。その名も「トンネルカード」だ。

横須賀は日本屈指の「トンネルの街」

「トンネルカード」はその名の通り、横須賀市内に存在するトンネルのカードで、名称や所在地、緯度経度、全長などの情報が盛り込まれている。


「ドロー! 俺は現場から隧道を召喚!!」はできない

「デュエルもできないトンネルのカードなんか欲しいか?」などと野暮なことを言ってはいけない。その魅力を口で説明するのは難しいが、暗渠巡りが趣味の記者には「トンネルっていいよなあ」という感覚はよくわかる。


裏面だってこの情報量なのだ

ツイッター上でも、トンネルカードに興味を持ったユーザーの声が溢れていた。

しかし、なぜ横須賀でトンネルなのか。Jタウンネットの取材に対し、横須賀市経済部観光企画課の担当者は次のように話してくれた。

「横須賀市は日本でも屈指のトンネルが多い街で、一般道路や高速道路、鉄道各線などで利用されているものは110か所、私道や廃道のトンネルまで含めると150か所を越えると言われているトンネルの街なのです」

すべてのトンネルを網羅するのはなかなか難しいため、今回は建設時期や利用目的、所在地などからまんべんなく、「猿島の隧道」「山崎ふれあいトンネル」「佐島隧道」「長瀬隧道」「走水第一隧道・走水第二隧道」「観音岬の浜辺の隧道」「向坂隧道」「追浜隧道」「船越隧道」「西逸見吉倉隧道」の10か所をピックアップ。

各トンネルの近辺にあるイベント参加店舗でトンネルをイメージした「トンネルグルメ」を購入し、「トンネルカードをください」と伝えるともらうことができるという。

カードがなくなり次第終了となるので配布期間は特に限定されていないが、予想よりも人気が出ており、早くに終わりそうだと担当者は嬉しそうに話す。ツイッターでも、すでに複数枚を集めていると思われるユーザーが確認できた。

さらに、トンネルカードには前述の10か所以外に、1か所レアカードが用意されている。

「10枚のトンネルカードをすべて集め、カードに書かれたキーワードを横須賀市内にある『観光インフォメーション スカナビi』で伝えていただくと、非常に珍しいトンネルのレアカードを差し上げます。もちろんキラキラした素材のキラカードになっていますよ」

各トンネルの場所やイベント参加店舗の場所は、横須賀市観光企画課が運営する観光情報サイト「ここはヨコスカ」などで確認することができる。レアカードを入手した読者は、こっそり見せて欲しい。