2017年は、それぞれの地方が工夫を凝らした「ご当地動画」が熱い1年だった。しかし、毎月、多くの動画がアップロードされる中、大きな注目を集めるのはその一部で、このまま埋もれてしまうのはあまりにももったいない......。

そこで、2017年の間に公開されたご当地PR動画の数々を振り返り、「これぞ」と思う作品を改めて紹介。2018年の引っ越し先や旅行先選びに役立つかは分からないが、ユニークな動画を取り上げた「Jタウン動画大賞」を勝手に開催する。


画像は動画のスクリーンショット

東京五輪招致動画、シンゴジラスタッフによるガチの映像美

福岡県北九州市と山口県下関市のPR動画「COME ON！ 関門！」（2017年3月公開）は、両市のPRというよりも、その間にある関門海峡にスポットライトを当てた作品だ。

台詞は英語で行われており、海外や日本語吹き替えを意識したような作りとなっている。

主役となるのは同地の特産品である海産物の平家蟹、フグ、タコなどが合体した「海峡怪獣カイセンドン」。身長229m、体重12万トンと巨大だ。スーパーロボットで例えると「トップをねらえ！」のガンバスターのサイズ感、重量に近い。モチーフがモチーフなため、ほんのりとアメリカ生まれの「邪神」ぽさを感じさせる造形をしている。

ちなみに、製作には東京五輪招致PR映像を手掛けた江口カン氏を筆頭に、「シン・ゴジラ」の映像を支えた「白組」などそうそうたるメンツが参加しているため、カイセンドンのクオリティはかなり「ガチ」である。

動画の内容は、突如海に現れ、人々をパニックに陥れたカイセンドンが、最速で9.4ノットという関門海峡の急流に足を取られてあえなく退場してしまう......というものだ。

北九州市や下関市に関するPRは殆どないものの、他の自治体動画には見られない怪獣もの、しかも高クオリティとあり、独自性と言う点では突き抜けた作品に仕上がっている。よってここに、「大スペクタクル賞」を勝手に与えることにする。