稲垣・草なぎ・香取の民放番組の行方「去る者追わず」のジャニーさんは意外と無関心!?
9月8日にジャニーズ事務所を退所した、元SMAPのメンバー、稲垣吾郎と草なぎ剛、香取慎吾の3人。
退所からわずか2週間、22日付の朝日新聞と東京新聞朝刊に掲載された「新しい地図」と記された見開き広告で、3人のファンサイトの開設を発表、大きな話題を集めた。
3人はほぼ同時にツイッターやインスタグラムなどのアカウントも開設、数日後には、AbemaTVでの72時間連続生番組「稲垣・草なぎ・香取 3人でインターネットはじめます『72時間ホンネテレビ』」を11月2日より放送することも発表された。
これまでジャニーズ事務所があまり積極的に取り組んでこなかったウェブに注力したコンテンツの活用ということで、うまく「隙間」をついたようにも感じられる戦略だが、SMAPといえば、『SMAP×SMAP』(フジテレビ系)をはじめ、テレビが主戦場だった印象も強い。
そんななか、香取が16年にわたってメインMCをつとめた『SmaSTATION!!』(テレビ朝日系)が、「新しい地図」の新聞広告の翌日となる9月23日の放送で、幕を降ろした。新たな展開がスタートする一方で、テレビで香取を見ることができる機会が、さっそく減った。
「『スマステ』を放送していたテレ朝は、ジャニーズのアーティストが毎週のように出演する『Mステ』の存在も大きいですよね。加えて、10月1日からは、東山紀之がメインキャスターをつとめる『サンデーLIVE!!』もスタートした。ジャニーズのタレントでなくなった『新しい地図』組にはやりにくい環境ではあると思います」
と、ある芸能記者は言う。
香取がメイン出演するもう1本のレギュラーバラエティ『おじゃMAP!!』(フジテレビ系)は10月以降も放送を継続、また、稲垣の『ゴロウ・デラックス』(TBS系)、草なぎの『「ぷっ」すま』(テレビ朝日系)と、3人がメイン出演する地上波バラエティのレギュラー番組の放送は継続している。
3人が持つ3番組の行方
「テレ朝側にとっては、香取は長寿人気番組のメインをつとめた功労者でもある。難しい判断だったと思いますが、香取の『スマステ』と草なぎの『ぷっすま』を天秤にかけたときに、ナマの情報を扱う番組ではない『ぷっすま』を継続させる形になったのではないでしょうか」(前出・芸能記者)
4日、香取が出演する『おじゃMAP!!』の2時間スペシャルに、草なぎがゲスト出演し高視聴率を叩き出した。
「草なぎの愛犬や愛車、行きつけの店、香取の自宅訪問、さらに新聞広告が出た9月22日当日のロケであることを強調するなど、ここでも新しい展開を印象づけることに成功しています。いきいきした姿を見せることで、もっと見てみたい、さらにはそんな2人(3人)を締め出す側が悪という印象づけも感じますね」(前出・芸能記者)
3人が持つ、残る3番組は今後も安泰なのだろうか。前出の記者は、「それは、なんともいえません」と言い、こう推測する。
「このタイミングで3人の番組がいっぺんに終了となった場合、世間はほぼ確実に“ジャニーズが圧力をかけた”という印象を抱くでしょう。現在、タレントの独立をめぐる芸能事務所とのトラブルが芸能界全体に色濃く漂っていますから、テレビ局側も余計な悪印象を持たれたくないという事情もあるのではないでしょうか」
と、「忖度」を示唆する。また、あるテレビ局関係者も、
「たとえば視聴率が低迷しているなど、正当な打ち切りの理由があっても、しばらくの間は、局側、ジャニーズ側が叩かれることになるでしょう。つまり、仮に終わらせたいとしても、終わらせにくい状況なんです。お茶の間が納得するには、相当、強力な理由が必要ですね」
とはいえ、
「すべてとはいえませんが、次の大型改編期の3月にもいくつか番組は終了すると思います。個人的に彼らとずっと仕事がしたいというスタッフだって数多くいるとは思いますが、彼らとジャニーズ、どっちを選ぶのかという選択も常につきまとう。半年先に状況がどうなっているのかにもよると思いますが」(前出・芸能記者)
いっぽう、ジャニーズ事情に詳しいライターはというと、
「ジャニーさん自身は、基本的には昔から“去る者は追わず”というスタンスです。影ながら応援は続けるというものの、辞めたタレントには、興味自体失ってしまうことも多い。3人の番組が続いても終わっても、実はあまり関係ないような気もします」
そんな中、『おじゃMAP!!』のゲストのキャスティングなどに、SMAPの元マネージャーである I 女史が関与し始めたという報道もあった。かつての敏腕ぶりを再び発揮しているともあり、今後、I 女史が稲垣・草なぎの番組にも、同じように大きく関わる可能性も否定できない。
ネットメディアを開拓しながらも、稲垣・草なぎ・香取が地上波から消えないための地固めは、着々と行われているようだ。
<取材・文/渋谷恭太郎>