「やすらぎの郷」第6週。他人の嫁の水着写真をじっとり凝視する藤竜也がヤバイ
倉本聰・脚本のシルバータイムドラマ『やすらぎの郷』(テレビ朝日・月〜金曜12:30〜)第6週。
「秀サン」こと高井秀次(藤竜也)の登場でメインキャラが出そろい、ようやくストーリーが展開していくのかと思いきや、……相変わらずあんまり話は進まなかったですね。
伝説のスター・秀サンが老人ホーム「やすらぎの郷」にやって来るということで、色めきたつ老女優たち。
しかも彼女たちの大半は、秀サンから絵のヌードモデルに誘われた挙げ句、ヤッちゃった過去があるとかないとか……。
菊村栄(石坂浩二)も、自分の亡妻・律子(風吹ジュン)がその中のひとりだという噂を聞いてしまい、気が気ではなかった。
そんな秀サンが突然、菊村のコテージにやって来た。律子の位牌を延々拝んだり、水着写真を延々見つめたり。しまいには、
「御位牌をむき出しで置いといちゃいけません」
ということで、位牌をしまうお厨子(ずし)を贈るなんて言い出す始末。
「律っちゃんへの私の気持ちです」
って、人の嫁に何を言ってるのだこの人は。コレはよからぬ関係を疑うなと言う方がムリな話!
疑心暗鬼で半ばノイローゼとなった菊村は、秀サンと過去に(肉体)関係のあった老女優たちに相談しまくるという、なかなかアレな行動に出る。
かつて秀サンと同棲していたこともある井深涼子(野際陽子)の言うことには、ヌードモデルに誘われ、アトリエに行ったのは事実だが、服を脱ぐ直前で逃げ出したというのが真相らしい。
ちなみに、とっくに死んでいる律子の浮気をこれだけ気にしている菊村は、律子がアトリエに誘われたのと同時期に、18歳の女優と浮気しかけていたという、なかなかのクズっぷりだ。
一応、これで「律子が秀サンとヤッてたんじゃないか」疑惑は一段落したものの、今日もドッタンバッタン大騒ぎな「やすらぎの郷」では次なる事件が。
入所したものの、一部の人以外には姿を見せていなかった秀サンがジムで倒れたのだ!
とにかく今週ははじめっから最後まで秀サン・ウィークだった。
入所する前からみんなが噂し、約束の時間にあらわれないと思ったら、いきなり海からボートに乗って登場。
さらに、大量の引っ越しそばと手書きのメッセージカードを入所者全員にプレゼントするというそつのなさ! 寡黙なのにマメな男、モテるよなぁ。
おかげで、それまで老女優たちから迫られ、モテてモテて困っちゃう状態だった菊村が、
「アナタ、早稲田を出ているからって、すぐそういう難しい話にするの卑怯よ! だからアナタ、表でモテないのよ」
なんてディスられちゃう始末(ちなみに石坂浩二の出身校は慶応)。
少年漫画だったら、主人公一強で平和だった学校に最強の転校生がやって来た! ……的な展開だ。
しかし秀サン、確かに格好良いんだけど、クールで無口過ぎるため、底知れない不気味さも漂っている。女体を樹に見立てた絵を一心不乱に描いたり、人の嫁の水着写真を凝視したり……ちょっとサイコなニオイがするよね(『愛のコリーダ』の藤竜也が頭をよぎる!)。
そして、これだけ格好良さを強調されていた秀サンが、ギックリ腰でぶっ倒れちゃうという展開もエグい!
「若いつもりで25キロのバーベル、いきなり持ち上げようとするから」
なんというマヌケ極まりない理由……。
車椅子を押されてやって来た秀サン。それを迎える老女優たちは、妙に上から目線で半笑いを浮かべながら声をかけてくるのだ。
ザ・屈辱!
「こんな辱めを受けるくらいなら、もう殺してくれ!」とでも言いたそうな苦い表情を浮かべる秀サンの姿を見て、
「悪いが、かなり溜飲が下がった」
と、にやける菊村の表情が実に嬉しそう! あんな顔、なかなか出来ないよ。
これだけの赤っ恥をかいた秀サンが、今後「やすらぎの郷」メンバーとどう絡んでくるのか気になるところだ。恥ずかしすぎて失踪しちゃってもおかしくないもん。
余談だけど、秀サンのオーラに圧倒されて緊張しまくる菊村が心の中でつぶやいた、
「私の方が本当は少し年上なのに、しかも脚本家と役者なのに、何となく向こうが偉い人で、こっちが偉くない人になってきて……」
は、倉本聰の本音じゃないだろうか? 「本当は役者より脚本家の方が偉いんだぞ!」……という。
今週は、ゲストとして毒蝮三太夫が登場していたのも嬉しかった!
生存確認のために毎朝放送されている(この設定もスゴイが)ラジオ番組「やすらぎアワー」のDJという、バッチリな役で。
「しょうがねえなぁ〜、そろそろ認知症がはじまったんじゃないですか?」
「みなさん元気でチャーミングで、そして素直にババア・ジジイを続けていくためには、このやすらぎ体操で身体をほぐしましょう」
「くたばったか!?」
と、マムちゃん節全開。
伊吹吾郎や倉田保昭も隠れキャラのようにちょいちょい登場しており、とにかく楽しそうな老人ホームなのだ。
今後、向井理や神木隆之介がゲスト出演することが発表されているけど、若いイケメンよりも、もっと入所者側の老人ゲストを期待したい。
ドラマの合間に流れているセサミンのCMに出演している縁で、加山雄三あたりどうだろうか!?
(イラストと文/北村ヂン)
「秀サン」こと高井秀次(藤竜也)の登場でメインキャラが出そろい、ようやくストーリーが展開していくのかと思いきや、……相変わらずあんまり話は進まなかったですね。
伝説のヤリチンスター・秀サンがやって来た!
伝説のスター・秀サンが老人ホーム「やすらぎの郷」にやって来るということで、色めきたつ老女優たち。
菊村栄(石坂浩二)も、自分の亡妻・律子(風吹ジュン)がその中のひとりだという噂を聞いてしまい、気が気ではなかった。
そんな秀サンが突然、菊村のコテージにやって来た。律子の位牌を延々拝んだり、水着写真を延々見つめたり。しまいには、
「御位牌をむき出しで置いといちゃいけません」
ということで、位牌をしまうお厨子(ずし)を贈るなんて言い出す始末。
「律っちゃんへの私の気持ちです」
って、人の嫁に何を言ってるのだこの人は。コレはよからぬ関係を疑うなと言う方がムリな話!
疑心暗鬼で半ばノイローゼとなった菊村は、秀サンと過去に(肉体)関係のあった老女優たちに相談しまくるという、なかなかアレな行動に出る。
かつて秀サンと同棲していたこともある井深涼子(野際陽子)の言うことには、ヌードモデルに誘われ、アトリエに行ったのは事実だが、服を脱ぐ直前で逃げ出したというのが真相らしい。
ちなみに、とっくに死んでいる律子の浮気をこれだけ気にしている菊村は、律子がアトリエに誘われたのと同時期に、18歳の女優と浮気しかけていたという、なかなかのクズっぷりだ。
一応、これで「律子が秀サンとヤッてたんじゃないか」疑惑は一段落したものの、今日もドッタンバッタン大騒ぎな「やすらぎの郷」では次なる事件が。
入所したものの、一部の人以外には姿を見せていなかった秀サンがジムで倒れたのだ!
海からやって来た秀サンがギックリ腰で退場
とにかく今週ははじめっから最後まで秀サン・ウィークだった。
入所する前からみんなが噂し、約束の時間にあらわれないと思ったら、いきなり海からボートに乗って登場。
さらに、大量の引っ越しそばと手書きのメッセージカードを入所者全員にプレゼントするというそつのなさ! 寡黙なのにマメな男、モテるよなぁ。
おかげで、それまで老女優たちから迫られ、モテてモテて困っちゃう状態だった菊村が、
「アナタ、早稲田を出ているからって、すぐそういう難しい話にするの卑怯よ! だからアナタ、表でモテないのよ」
なんてディスられちゃう始末(ちなみに石坂浩二の出身校は慶応)。
少年漫画だったら、主人公一強で平和だった学校に最強の転校生がやって来た! ……的な展開だ。
しかし秀サン、確かに格好良いんだけど、クールで無口過ぎるため、底知れない不気味さも漂っている。女体を樹に見立てた絵を一心不乱に描いたり、人の嫁の水着写真を凝視したり……ちょっとサイコなニオイがするよね(『愛のコリーダ』の藤竜也が頭をよぎる!)。
そして、これだけ格好良さを強調されていた秀サンが、ギックリ腰でぶっ倒れちゃうという展開もエグい!
「若いつもりで25キロのバーベル、いきなり持ち上げようとするから」
なんというマヌケ極まりない理由……。
車椅子を押されてやって来た秀サン。それを迎える老女優たちは、妙に上から目線で半笑いを浮かべながら声をかけてくるのだ。
ザ・屈辱!
「こんな辱めを受けるくらいなら、もう殺してくれ!」とでも言いたそうな苦い表情を浮かべる秀サンの姿を見て、
「悪いが、かなり溜飲が下がった」
と、にやける菊村の表情が実に嬉しそう! あんな顔、なかなか出来ないよ。
これだけの赤っ恥をかいた秀サンが、今後「やすらぎの郷」メンバーとどう絡んでくるのか気になるところだ。恥ずかしすぎて失踪しちゃってもおかしくないもん。
余談だけど、秀サンのオーラに圧倒されて緊張しまくる菊村が心の中でつぶやいた、
「私の方が本当は少し年上なのに、しかも脚本家と役者なのに、何となく向こうが偉い人で、こっちが偉くない人になってきて……」
は、倉本聰の本音じゃないだろうか? 「本当は役者より脚本家の方が偉いんだぞ!」……という。
DJとしてマムちゃんが登場
今週は、ゲストとして毒蝮三太夫が登場していたのも嬉しかった!
生存確認のために毎朝放送されている(この設定もスゴイが)ラジオ番組「やすらぎアワー」のDJという、バッチリな役で。
「しょうがねえなぁ〜、そろそろ認知症がはじまったんじゃないですか?」
「みなさん元気でチャーミングで、そして素直にババア・ジジイを続けていくためには、このやすらぎ体操で身体をほぐしましょう」
「くたばったか!?」
と、マムちゃん節全開。
伊吹吾郎や倉田保昭も隠れキャラのようにちょいちょい登場しており、とにかく楽しそうな老人ホームなのだ。
今後、向井理や神木隆之介がゲスト出演することが発表されているけど、若いイケメンよりも、もっと入所者側の老人ゲストを期待したい。
ドラマの合間に流れているセサミンのCMに出演している縁で、加山雄三あたりどうだろうか!?
(イラストと文/北村ヂン)