第17回「IPPONグランプリ」徹底解説。サンシャイン池崎健闘、大喜利を愛し、大喜利に愛される男たち

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空前絶後の大喜利王決定戦『IPPONグランプリ』(5月13日放送 フジテレビ系列)。
17回目を迎える今回は、ベテラン・木村祐一とルーキー・サンシャイン池崎が初参戦。大喜利を愛し、大喜利に愛される男は、一体誰なのか?


Aブロック:前回決勝進出者、またも激しくぶつかる


Aブロックの回答者は、バカリズム、ふかわりょう、博多大吉、サンシャイン池崎、川島明(麒麟)の5人。

ふかわりょうとサンシャイン池崎は同じ事務所の先輩後輩(ワタナベエンターテイメント)。「前世から呼吸するように大喜利やってましたッ!」と目を剥く池崎を、ふかわ先輩は「持久力に疑問が」と心配する。

しかし、第1問第2問とふかわは絶不調。0点を4つも取ってしまい「後輩の心配するのやめました」と前言撤回。司会進行の榎波アナに「サンシャインさん」と呼ばれる池崎も低空飛行が続き、0点を取っても「キタキタキタ!」と逆に興奮してしまう事態に。

そんななか気を吐いたのは、前回決勝戦で戦ったバカリズムと川島の二人。第3問「寝相が悪いことで有名な田所さんの伝説に残るエピソードを教えて下さい」では、2人合わせて5つも1本を取った。

・(食事しながらテレビを見ている絵)もう起きてるとしか思えない(バカリ)
・(絵回答)電車でうたた寝しててつり革に全身入ってた(川島)
・田所が寝相でむちゃくちゃにしたブドウ畑のブドウをなんとかしようとしたのが始まりです。ボジョレー・ヌーボー、今年も解禁です(川島)
・(上杉達也の絵)「ウソみたいだろ 寝てるんだぞこれで」(バカリ)
・「寝相」で検索するとまっさきに田所が(バカリ)

『タッチ』の上杉達也まで描いてしまうバカリズムのイラスト回答に、長文をエエ声で読み上げる川島の長尺回答。2人の持ち味がぞんぶんに活かされる展開。続く第4問のカルタお題を終え、バカリと川島が7本で並ぶ。勝負はラストの第5問「あれ、今日の機長チンパンジーかも?なぜそう思った?」

・ビーフ or バナナ?(ふかわ)
・航空会社のマークがよく見たら「SAL」(池崎)
・機内安全ビデオの冒頭でいかにチンパンジーが賢いが説明される(バカリ)
・操縦室から志村けんの「お前久しぶりだな」という声が聞こえた(川島)
・さんまさんがそう言ってた(大吉)

機内食、機内ビデオ、CA、操縦席など、各自が飛行機の要素からチンパンジーにつなぐなか、飛行機のイメージから抜け出した「さんまさんがそう言ってた」が光る。

第5問を終えて、結果はバカリズム7本、川島8本。前回優勝者の川島が、またもバカリズムを制して決勝に駒を進めた。サンシャイン池崎は「ふかわさん(2本)と僕(3本)を合わせても川島さんに勝てなかった」と振り返り、ふかわりょうは「激しく同意です」と乗っかる。

Bブロック:くっきー、謎の「宙宙宙」


Bブロックの回答者は秋山竜次(ロバート)、千原ジュニア、くっきー(野性爆弾)、木村祐一、川西賢志郎 (和牛)。

IPPONスカウトから本戦に初出場した和牛の川西。「(対策のため)過去の映像をたくさん見ました。ちょっと再生回数が上がったんじゃないですか」とコメントし、ジュニアから「DVDで見ろ!」とツッコまれる。

かつて『ひとりごっつ』『松ごっつ』など、松本人志が大喜利を広める現場に立ち会ってきた木村祐一。第1問「NASAが世間をガッカリさせないためにひた隠しにしている宇宙人の新情報とは」では「SF映画が大好き」「買い物がヘタ」と、短いセンテンスで確実に笑いを取っていく。

木村と同じく、松本人志直系のジュニアも「自炊」などシャープな回答を見せ、第2問「写真で一言ルーレット」ではカンガルーの写真に「バイトするならタウンワーク!」と叫び一本。「チェアマンをいじってしまいました」と軽く反省する。

第4問「このカルタの読み札を教えて下さい」。日めくりカレンダーの前に緑色の鬼が立っている絵柄に「ら」の文字。ここでもジュニアが「雷神初日」「ラムちゃん……?じゃないです」「ライザップ1日目」と1本を量産するかたわら、野性爆弾くっきーが大暴走。

・楽するな 持てよノートを 宙宙宙
・ランドセル 入れろノートを 宙宙宙
・らしくない ツノの力で 宙宙宙

「宙宙宙(ちゅうちゅうちゅう)ってなに!?」と困惑するスタジオに、日めくりカレンダーが宙に浮いたノートに見える! と反論するくっきー。繰り返される「宙宙宙」に、最終的に「腑に落ちました(大吉)」と審査員も根負けして1本を取る始末。

第5問を終え、千原ジュニアが7本で単独トップ。見事Bブロックを勝ち抜いた。ジュニアが決勝に進むのは2012年4月の優勝以来5年ぶり。「大喜利をするのが大好きなので、まだ大喜利ができると思うとホントに嬉しいです」と喜びのコメントを残し、隣に座るくっきーは「楽屋で首くくってきます」と目をむいてみんなに止められた。


決勝戦:千原ジュニア快進撃!


決勝戦は川島明(麒麟)vs千原ジュニア(千原兄弟)。川島は優勝すればIPPONグランプリ初の2大会連続優勝になる。緊張する川島は「さっき手のひらに宙という字を3回書いて飲みました」と心を落ち着かせる。決勝は3本を先に取ったほうが優勝だ。

第1問は「女性は出産時の痛みを「鼻からスイカが出るくらい」と表現しますが、男性が休所にボールが当たった時の痛みをうまく例えて下さい」。千原ジュニアが一発目で「鼻からSuicaが出るくらい」と技巧的な答えを出すが、いま一歩届かない。その後も膠着状態が続く

・大切にしているニットのちょっとした穴からホタルイカ(川島)
・尿道から飛車でるくらい(ジュニア)
・耳から鰆(川島)

「鼻からスイカ」をなぞり、意外なところから意外なものを出そうとするが、元々の「鼻からスイカ」のインパクトを上書きするだけになってしまう。先にアプローチを変えたのはジュニア。「鼻からイコカ出るくらい」と関西のICカードをひねり出し、1本を先取。

続く第2問は初の試みとなる動画アフレコお題。これもジュニアが取り2-0。ジュニアリーチで迎えた第3問は「ヒーローが悪役に言われた去り際の捨て台詞で 一番怖く無かった台詞を教えて下さい」。「最後の技、コンプライアンス的にどうかな〜(川島)」「腫れがひいたら覚えてやがれ!(ジュニア)」と一巡したあと、勝負を決めたのはジュニアのこの答えだった。

「くそぉ〜バイトさえ入れていなければ!」

Bブロック第2問で「バイトするならタウンワーク!」と言わされていたカンガルーがどうしても頭をよぎってしまう……! この答えで3連続1本を取ったジュニア、ストレートで川島をくだし、5年ぶりのIPPONグランプリ優勝に輝いた。松本チェアマンも「今日のジュニアは調子が良かった」と振り返る。ケータイ大喜利難民もジュニアプロの活躍を喜んだことだろう。

それでは松本チェアマン、最後に一言お願いします!

松本「みんなよかった、宙宙宙!」

以上、IPPONグランプリでした!
(井上マサキ)