GALAXY S8+グローバルモデルを空港でゲット。手持ちのiPhone7Plusと比較してみました 石川温
ポルトガル・リスボンからの出張の帰り、空港内の電器屋にサムスン電子「GALAXY S8+」が売っていた。その日は4月23日。GALAXY S8+がグローバルで発売されたのは4月21日だ。発売されてまだ2日。しかも、日本での発売は、キャリアの夏商戦モデル発表会が終わってからのタイミングとなるだけに早くて5月末以降になりそうだ。
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GALAXY S8+は3月末にアメリカ・ニューヨークで行われた新製品発表会で実機に触ったときから「欲しい」と思っていた。「これはチャンス」ということで、迷わず919.19ユーロ(約11万円)をカードで切ってしまったのだった(実際は免税扱いとなるため、1万円以上、安くなった)。

カードで支払いを終え、免税の手続きをカウンター越しに見ていると、GALAXY S8+に「EUROPEAN SIM CARD ONLY」という文字を発見してしまった。つまり「ヨーロッパのSIMカードしか使えません」とのこと。「おっと、これはヤバい買い物をしてしまった。DMMの4Kディスプレイなら返金手続きをしてくれるが、この免税店はどうだろうか」と不安になったので、店員に聞いてみると「ああ大丈夫。これから俺がアクティベーションすれば、世界中で使えるようになるぜ」という。

その後、店員がおもむろにポケットから出してきたのが、彼が使っているガラケー。カバーをぱかっと開け、SIMカードを取り出し、買ったばかりのGALAXY S8+に挿入したのだった。さらに「ネットにつなげる作業が必要」として、空港内にフリーWi-Fiに接続を試みるがなかなかつながらない。挙げ句の果てには、店舗から出て行き、フリーWi-Fiにつなぎに行く始末。これが結構、時間がかかりそうだったので、仕方なく「私のiPhoneからテザリングするからそこにつなげば」という助け船を出してあげた。



店員さんはテザリングでネットに接続し、設定ファイルを落とし、さらに現地のSIMカードで通話を5分ほど行うと、無事に開通。これで世界中のSIMカードで使えるようになるという。この最初に手続きにヨーロッパのSIMカードが必要のようだ。 

店員によれば「サムスンだけがこうした作業が必要なんだ」ということだった。

こうしてなんとか無事に入手したGALAXY S8+。とにかく6.2インチの細長ディスプレイにもかかわらず、片手でも持ちやすいサイズ感に仕上がっているのが魅力的だ。

画面の左右が湾曲しており、フレーム部分がほとんどないのが持ちやすさの理由だろう。さらに上下の部分のフレームが細くなっているおり、本当に画面だけを持っている錯覚に陥ってしまう。

昨年、GALAXY Note 7でポカしてしまったサムスン電子であるが、本気でフラグシップモデルを出すとなると、ここまで洗練されたモデルを作れるのか、と感心してしまうほどだ。

GALAXY S8シリーズには、5.8インチのGALAXY S8と6.2インチのGALAXY S8+の2モデルが存在する。このラインナップ攻勢というのは当然、4.7インチのiPhone 7と5.5インチのiPhone 7 Plusを意識したものだろう。では実際、比べてみるとどうなるのか。



昨年秋に発売され、新色レッドが出たばかりの「iPhone 7 Plus」と比較してみた。

正面からGALAXY S8+とiPhone 7 Plusを比較してみると、実は横幅の大きさはあまり違いがないと言える。画面サイズの6.2インチと5.5インチという違いを聞く限りでは、かなりの違いのように思えるが実際はGALAXY S8+が狭額縁設計ため、iPhone 7 Plusよりも横幅がわずかながら小さいのだ。

ちなみに薄さを比較するとiPhone 7 Plusが7.3mmなのに対して、GALAXY S8+は8.1mmと0.8mmだけ厚い。



持ちやすさという点においても、GALAXY S8+のほうがしっかりと握れて安心感がある。

縦方向を比較してみると、GALAXY S8+のほうがちょっとだけ長いが、ほとんど違いのないレベルだ。

まさに本体の大きさは画面サイズが5.5インチのiPHone 7 Plusとあまり違いがないにもかかわらず(むしろ本体幅は小さい)、GALAXY S8+は6.2インチの画面サイズを実現しているのだ。

6インチ以上のスマホは、その昔は「ファブレット」と言われ、「スマホとタブレットの中間サイズ」なんて言われてきたが、GALAXY S8+の6.2インチはファブレットではなく、スマホのサイズに収まっているのだ。

特にこのインチ数で動画を視聴すると、スマホとしてはかなりの迫力となる。

ただ、気をつけなくてはいけないのが、GALAXY S8+は、18.5対9という、これまでにはない特殊な画面比率となっており、すべてのアプリがこの比率で表示できるとはかぎらないのだ。 



設定では大画面で表示できるアプリを一覧し、サムスン製アプリやグーグル製アプリなどきちんと対応したものは大画面のフルフルに表示するように最適化され、設定が固定されているが、それ以外はアプリの推奨通りに表示するか、大画面にするかを選べる。また、アプリによっては「全画面では正常に動作しない可能性がある」という注意書きがされたものもある。必ずしも、すべてのアプリで大画面のメリットを享受できるわけではないので、注意が必要だ。

このあたりは、Android7.0のマルチウィンドウ対応アプリが増えてくれれば、解消されていきそうだ。

GALAXY S8+では、これまで採用されていた物理的なホームボタンが廃止された。画面上にホームボタンのイラストが表示され、そこをタッチすると、本体が振動して、押した感覚のように感じられる。



このあたりは、iPhoneが先行して採用している機構だ。iPhoneは画面下にまるでボタンのように丸いリングで覆われているが、GALAXY S8+は画面上でホームボタンを再現してしまった。

物理的なボタンではないが、振動があるためか、まるで本当にボタンを押している感覚になる。個人的な話だが、これまで物理的なボタンがないAndoridスマホが数多くあったが、どれも「使いにくい」と感じていた。その点、GALAXY S8+にはそうした心配は不要と言える。

また、GALAXY S8+には背面に配置された指紋認証機能だけでなく、顔認証や虹彩認証に対応している。指紋センサーが背面にいってしまい不便な気がするが、自分は顔認証でロックを解除しているため、不満はない。顔認証はロックをしているのを感じさせないほど俊敏だ。

アップルもロック解除の方式を今後、増やしてくるのか注目だ。



iPhone 7 PlusとGALAXY S8+を比較すると、やはりiPhone 7 Plusは3年近く似たような大きさ、デザインを投入しているため、かなり飽きが来ているのが正直な感想だ。

その点、GALAXY S8+はこれまでにはない攻めたデザインとなっているため、見ているだけでときめいてくる。

GALAXY S8+は世界的にもヒットしそうな可能性を秘めている。それだけに、最大のライバルであるアップルとしてもGALAXY S8+の登場にはかなり焦りを感じているのではないだろうか。

 
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