都立調布南vs自由ヶ丘学園
五味(都立調布南)
お彼岸の中日、春の日射しに包まれた休日となった。東京都大会では、この日に4月の都大会へ向けて多くの一次ブロック予選通過校が決まる。あきる野市民球場でも代表決定戦が行われた。
昨夏に大会初参加して、先日には春季大会で公式戦初勝利を飾った自由ヶ丘学園は、初の本大会進出という悲願へ向けての挑戦となった。対する都立調布南も、自由ヶ丘学園も共に現状では登録人数は15人という少人数対決となった。
初回の攻防、都立調布南は安打で出た魚住君を4番井形君が中越三塁打して先制。さらに5番尾西君の中前打に四球と暴投を挟んで、7番五味君も一二塁間を破って3点を先取した。都立調布南は2回に失策絡みで2点を失ったものの、その裏も押し出しと小松君の三遊間をしぶとく抜いていく一打などでさらに2点を追加。3回にも死球で走者をためて、井形君と尾西君と中軸の連打でまたも3点。
そして4回には3番壱岐君の中越三塁打や井形君の左中間三塁打などで5点を追加して14点とした。
それでも、自由ヶ丘学園も踏ん張って5回、代打で起用された宮迫君が気持ちを込めて中越三塁打。これを1番冨吉君が左犠飛で帰して、何とか意地を示した。結果的にはコールドゲームになったものの、5回に打って1点を挙げられたかどうかということの意味は大きかった。自由ヶ丘学園としては、新しい歴史を作っていく上でも、大事な1点だったと言えるのではないだろうか。
五味君と壱岐君というバッテリーが安定しているという印象の都立調布南。壱岐君は2回に、走者を刺そうという意識が強すぎて悪送球してしまい得点を許してしまったというところもあった。それでも、3番打者としてもいい打球を放っていたし、ショートバウンドの投球を後ろへやらない捕球の反応や、捕ってから送球への動作なども素早かった。
都立調布南の松永将一監督は「実は、先日はちょっと良くなかったんで喝を入れたんですよ。そうしたから、今日はいいプレーも出てよくやってくれました。守りはきっちりとやっておかないといけませんから、そこはしっかりやっていきたいと思っています」と、守りの要でもある壱岐君への期待は高いようだ。
都立調布南は、終わってみれば14安打の全員安打で毎回得点。本大会へ向けては、いい勢いはつけられたというところであろう。
(取材・写真=手束 仁)
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