自覚を持ったエースと4番の活躍で正則が接戦を制する!

熱投を見せた座間(正則)

 昨夏西東京大会ベスト32の都立狛江と昨夏、帝京相手に2対4と善戦を演じた 正則との一戦は1点を争う好勝負となった。

 都立狛江は二死二塁から4番大木の左前適時二塁打で1点を先制したが、1回裏、正則も、二死二塁から4番黒崎大晴の左横線を抜ける適時二塁打で同点に追いつく。4回裏、適時打を打った黒崎が2安打目となる安打を打つと、黒崎を進めて。二死三塁のチャンスを作り、7番小貫の左前適時打で勝ち越しに成功する。

 この試合で、適時打を放つだけではなく、チャンスメイクも行った黒崎。昨秋は打撃不振で、7番を打っていた選手であったが、この冬は厳しい振り込み、トレーニングに逃げずに取り組んだ。岸本淳監督は、「黒崎はこの冬、逃げずに一番練習に取り組んだ選手で、成長著しい選手です」と評する。

 さらに5回裏にも2番小澤の適時打で、3対1と点差を広げた。

 7回表、失策により1点を追い上げられ、7回裏、二死満塁、8回裏も得点圏に走者を進めるも、点を取れない正則。

 9回表、都立狛江は先頭の2番落合に三塁打に打たれ、同点のピンチ。だがマウンドの座間雄一は落ち着いていた。「僕たちは裏攻めだったので、同点にされても大丈夫。だから落ち着いてしっかりと腕を振って投げようと思いました」と、その言葉通り、9回表になっても、座間の球威は衰えることはなかった。180センチ60キロの長身右腕は、角度ある速球を武器に都立狛江打線に攻め込んでいく。

まず3番小川を二ゴロ、4番大木を三振。そして5番石出を捕邪飛に打ち取り、先発の座間はガッツポーズ。正則が代表決定戦へ駒を進めた。

 岸本監督は座間の投球に対し、「夏から経験していて、彼は帝京戦で投げている投手ですから。今日の投球はやってもらって当然の投手です」と高いレベルを要求する指揮官に、しっかりとエースは応えた。

 座間は「今日の僕はコントロール、球威ともに良かったですし、それでも打たれる都立狛江打線は怖かったです。だけど気持ちで負けることなく投げることができて良かったです」

 エースの自覚を見せた座間。そして勝負強い4番打者になるために、厳しい冬を乗り越えた黒崎。投打の柱の活躍によりもたらした1勝となった。

(取材・写真=河嶋 宗一)

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