草なぎ剛『嘘の戦争』可哀想すぎる安田顕がなんか踏んで転びそうになった7話

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『嘘の戦争』(フジテレビ系、関西テレビ制作)第7話。「父に何をした?」と一ノ瀬(草なぎ剛)に掴みかかった隆(藤木直人)。一ノ瀬が父の命の恩人だと聞かされても、仏頂面で礼を言う体を取っただけだった。一方、自分をかばってナイフで刺された一ノ瀬に礼を言わなかった興三(市村正親)。隆は少しずつ父親に似てきている。


あらすじ


7話でターゲットにされたのは、悪人だらけのこのドラマの数少ない癒し系・晃(安田顕)。

一ノ瀬は、経営コンサルタントとして晃が社長を務める二科カテーテルの工場の改修を勧めた。その費用は2000万。八尋(菊池風磨)は、その工事を担当する四方田建設になりすましてメールのやりとりをし、一ノ瀬が用意した別の口座に金を振り込ませることに成功した。二科コーポレーションに損失を与えたことで晃は隆にクビを宣告されてしまった。

晃の可哀想さがすごい


「そんな簡単に……」「俺が……何?」「これからも相談に乗ってくれるよね?」晃が可哀想な目に合っているのは、本当に可哀想だ。ただ出来が悪いだけで、隆に認められたくて必死なだけだった。これで一番下の弟ならまだしも、長男だというのだから可哀想さに拍車がかかる。

晃の可哀想さで注目したいのは、2000万が騙し取られたとわかった場面だ。電話口で四方田建設に金が振り込まれていないと聞かされると、晃はメールを確認しようとパソコンに向かう。その時、晃は焦って戸棚の上の何かを肘で落としてしまい、その何かを踏んでズルっと滑ってしまう。しかし、晃はそれを意にも介さずパソコン机にまっしぐら。

あの姿はダサかった。弟の前で2000万を騙し取られ、何かを踏んで転びそうになるアラフィフ長男。本当にダサい。だが、あれはおそらく安田顕の演技プランには入っていなかったはずだ。

もし、仮に藤木直人演じる隆が2000万を騙し取られても、あの何かを踏むことは絶対になかっただろう。市村正親の興三でも同じはずだ。もっというと、安田顕が他の誰かを演じていたとしても、そのキャラクターはあの何かを踏むことはなかったはずだ。晃が安田顕に降りてきたとも言えるあのシーン、見た人も見ていない人も、確認してみてほしい。

六車登場


引っ張りに引っ張った六車がついに登場した。演じるのは初登場の神保悟志だ。見た目はまさに殺し屋、大きめのサングラスをして全身黒で統一している。実際に背負ってはいないが、なんとなくマシンガンを背負っているようなイメージだ。

悪者だらけの「嘘の戦争」の中でも、“暴力を生業にしている”“殺し屋のような存在”“ヤクザとも繋がりがある”と、異彩を放つ六車だが、過去の事件にはどう関わっているのだろう。

今話で一ノ瀬は「一家殺しのもう一人の犯人は六車かもしれない」と発言している。ということは、一家殺しのもう一人の犯人は六車ではないという事になる。なぜなら、本当にこの犯人が六車だった場合、視聴者にここでバラす必要が全くないからだ。良きタイミング、例えば一ノ瀬と六車が対面している時にバラした方がインパクトは遥かに強いだろう。

現時点で30年前の事件に関わった正体が判明していない人物は、もう一人の犯人だけだ。六車は何も関わっていないのだろうか?それとも、もう一つ一ノ瀬が全く知らない事件の闇が存在して、そこに六車が関係しているのだろうか? 

今夜放送の第8話は一ノ瀬VS六車。散々引っ張ったせいで憶測が飛び交いまくっていた六車の実力が発揮される回になる。百田(マギー)もそろそろ裏切りそう。楓(山本美月)は疑い始めている。晃はもう蚊帳の外。ほぼ味方がいなくなってしまった一ノ瀬は、一体どう戦うのだろう。

(沢野奈津夫)