ビャルケ・インゲルスが選ぶ「注目のデザイナー」5組

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コペンハーゲンが生んだ建築界のスター、ビャルケ・インゲルスが選んだ5組の「デザイナー」を紹介。建築、SF小説、映画のセットなど、さまざまな分野で独創性を発揮する人々だ。

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『WIRED』UK版10月号「Design Issue」では、建築家、ユーザーエクスペリエンスのプロフェッショナル、ファッションデザイナー、ロケット科学者など、いまの世界をかたちづくる創造的な人たちを讃えている。表紙にも登場した建築界のスター、ビャルケ・インゲルスに、自身が最も刺激を受けている人物を挙げてもらった。

都会と田舎の融合を目指す建築スタジオ「Ensamble」

ボストンとマドリードを拠点とする建築家、アントン・ガルシア=アブリル(47歳)とデボラ・メサ(35歳)は、建築スタジオ「Ensamble」で、自然を生かした手づくりのデザインと素材、独特な建築方法によって、都会的でありながら田舎風でもある空間を目指している。

トリュフ」というプロジェクトは、岩をくりぬいたような建築物で、内部の藁を牛に食べさせて完成させるものだ。

遊び心溢れるフィンランドのデザイン事務所「Company」

親の足の上に子どもが乗って、一緒にダンスができる靴。PHOTOGRAPH COURTESY OF COMPANY

アーム・ソンとヨハン・オリンによる「Company」の遊び心ある創作作品には、フェルト製の「ダンスシューズ」や、アニメキャラクター「ピングー」のデザインの親子おそろいの服などがある。

ヘルシンキを拠点とする2人は、フィンランド製造業の振興のために、同国のアーティストや生産者と共作している。地元の職人と共作していないときはたいてい、新たな刺激と製法を求めて世界中を駆け巡っているという。

C・ノーランが認めるプロダクションデザイナー、ネイサン・クロウリー

PHOTO: Visual Press Agency / AFLO

ネイサン・クロウリー(50歳)は、米国のアカデミー賞と英国アカデミー(BAFTA)賞にノミネートされたことがあるプロダクションデザイナーで、クリストファー・ノーラン監督の作品を長年手がけている。

グリーンスクリーンを用いるCGを避けて「本物の」セットをつくることで知られている。例えば、映画『インターステラー』で使用された全長16mの宇宙船は、わざわざアイスランドに輸送し、クレーンで氷河に持ち込んで撮影された。

スペキュラティヴなSF作家、アン・レッキー

PHOTO: Jennie Ivins (CC BY-NC 2.0)

SF作家アン・レッキー(50歳)は、言葉で世界をデザインしている。数々の賞を受賞したSF小説『叛逆航路』は、未来が舞台のスペースオペラ・シリーズで、スペキュラティヴ・フィクション作家として世界的に評価されている。

この作品では、もっぱら「She(彼女)」という代名詞が使われているが、どの登場人物も性別が明らかにされていない。レッキーは、SF界の伝説的人物オクティヴィア・エステル・バトラーの指導を受けたあと、処女作である同作を6年かけて書き上げたという。

「バンブー建築」のパイオニア、「IBUKU」

IBUKUによるグリーン・スクール校舎の建築現場。若竹を使用している。PHOTOGRAPH COURTESY OF IBUKU

ジョン・ハーディーは2007年、学科教育と建築・菜園・アート・環境教育を融合させた学校「グリーン・スクール」をバリ島に創設した。

その影響を受けた娘のエローラ・ハーディーは、インドネシアのデザイナーと建築家のチームをまとめて、バンブー建築を主流にしようと取り組んでいる。エローラ・ハーディーの会社IBUKUでは、成長した若竹をリサイクルしたホウ素溶液で処理し、シロアリや甲虫の侵入を防いでいる。

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