「忙しい時ほど、男はシンクをよりきれいに」ギース尾関高文が娘のキャラ弁をつくる

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現在5歳の娘との、ユーモアあふれる日々を一冊にまとめた『芸人と娘』(飛鳥新社刊)。芸人である著者の尾関高文(ザ・ギース)は娘さんが幼稚園に通っている間、せっせとキャラ弁をつくり続けた。この本に関するインタビューとともに、実際にキャラ弁をつくる姿を見せていただいた。

ペットボトルのふたを道具に


───本日は尾関さんにキャラ弁をつくっていただくということで、よろしくお願いします。
「お願いします。一応ふだん使っている道具も持ってきました」
───わー、かわいい。
「キャラの顔をつくるときに、丸く型抜きができる道具はすごく大事です。丸はいろんなサイズがあったほうがいい。ちゃんとキャラ弁用のものも売ってるんですが、僕はペットボトルのふたとかも使います」


───なるほど。
(手際よくブロッコリーを茹で、薄焼き卵をつくる)
「お弁当には緑がなくてはいけないので、ブロッコリーは必須です」


(ご飯を軽くにぎる)





「娘は少食なので、なるべくごはんを楽しんで食べてもらうために、ふだんは中にこんぶや梅干しを入れて、おにぎりのようにします」
(軽くにぎったあと、携帯に表示した元絵を見ながら形づくりはじめる)
───ちなみに、『芸人と娘』には娘さんのおもしろいエピソードが詰め込まれていますが、尾関さんから見て娘さんはどんな子ですか?
「本当に特別な子ではないんですよ。家ではふざけることがあるけど、言ったあとにちょっと照れたりもする。『もうちょっとがんばりなよ』と思うところもありますけど、家で自由にしている姿を見ると、かわいいなと思います」
───この本に登場するお子さんの下に、2歳の娘さんもいらっしゃるんですよね? 姉妹の性格の違いは感じますか?
「上の子のほうがナイーブというか気にしいで神経質なところがありますね」
───本の中でも、掛け布団を1センチもずれがないようにきっちりたたむというエピソードがありましたね。
「そうなんです。で、上の子がいろいろと細かく気を使っているところを下の子がむちゃくちゃにして、上の子が泣くってことがけっこうありますね。お姉ちゃんとしては少し、成長の余地が……のびしろがあると思ってます(笑)」


キャラ弁にはいい海苔を


(腰を折り曲げて海苔を細かく切る)
「お弁当づくりは腰が痛くなるんですよね……」
───尾関さんは背が高いのでとりわけ大変そうですね……。それにしても海苔の切り方が細かいですね!



「目やまゆ、口とか、細かい曲線を切る必要があるので、海苔はキメの細かい、いい海苔じゃないとダメなんです」
───キャラ弁づくりには海苔の質が重要なんですね。
(海苔をピンセットで挟んで配置)
「細いので、ピンセットでないとつかめないんですよ」
───配置も難しそうですね。
「あまり嵩を高く詰めてしまうと、せっかく必死につけたのりが全部ふたの裏にくっついてただのご飯のかたまりが並んでるだけになっちゃうんですよね……いま、何分ですか?」
───つくりはじめてから25分くらい経ったと思います。
「ふだんならこれだけ時間がかかってしまったらもうめっちゃくちゃに詰めてます」
───(笑)。よかったら今日はゆっくり詰めてください。
「わかりました。……娘のお弁当を詰め終えたら、残りは僕が仕事先に持って行って食べます」
───これが『エレ片のコント太郎』(TBSラジオ)にゲストで出られたときに話題になった「キメラおにぎり」ですね……。


片付けがいちばん重要です


「お弁当、できました!」


───わー(拍手)。
「ここからが重要なんです」
───ここから?
(残りの食材や道具を手早く片付け、シンクを拭きはじめる)
「お弁当づくりでいちばん重要なのは後片付けです。後片付けでお弁当づくりが決まるといっても過言ではない」
───そうなんですね。
「使った食器をそのまま水につけておいたりもしない。すぐにしっかりきれいにします」
───それは、過去にそのようにして奥さまに怒られるという経験があったんでしょうか?
「これはね、僕、1回も失敗してないんです。お弁当づくりをはじめた当初から、片付けを怠るとぶち壊しになるというのはわかっていたので、最初から異常なほどきれいにしていました」
───すごい。
「片付けるまでがお弁当づくりです。なんならつくる前よりちょっときれいにするくらいの気持ちでやるのが大切です。家事をする男性には、そこは本当に気をつけていただきたい!」





忙しいときほどシンクをきれいに


───尾関さんといえば広島カープファンであることから、最近は「カープ芸人」としての地位も確立されて、広島でのお仕事も増えていますよね。


「はい。ありがたいことなんですが、広島に行きがちになればなったで、あまり家にいられずに家事ができないという点もあります。そうなると、いっそうがんばってお弁当をつくらないといけないですよね」
───なるほど。
「忙しいときほど、シンクをよりきれいにしなくてはいけない。もちろん、忙しくなるのはとてもうれしいですが、それにかまけて家庭を顧みないという状況にならないよう気をつけなくてはと思っています」
───それだけ家族のことを思っているお父さんにお弁当をつくってもらえて、娘さんは幸せですね。
「いやいや。娘が成長したら、いつか僕にお弁当をつくってほしいですね」
(釣木文恵)


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お知らせ


THE GEESE(ザ・ギース)
第11回単独ライブ
「トロピカリア」

出演:高佐一慈・尾関高文 (ザ・ギース)
作・演出:向田邦彦/ザ・ギース

日時:2016年6月28日(火)         19:00
29日(水)         19:00
30日(木)         19:00
7月 1日(金)         19:00
2日(土)  14:00  18:00
3日(日)  14:00  18:00
全8回公演 (開場は開演の30分前)

会場:上野ストアハウス
         台東区北上野1─6─11イルドビルB1

チケット:4月23日(土)一般発売
イープラス 
チケットぴあ 0570─02─9999

料金:3500円(税込) 整理番号付自由席
※未就学児入場不可

お問合せ:株式会社アッシュ・アンド・ディ・コーポレーション
03─5456─8130  
主 催:ASH&D