韓国の中央銀行である韓国銀行の李柱烈(イ・ジュヨル)総裁は19日、韓国国内の経済状況、さらには経済の先行きについて「春来不似春(春がきたにせよ春でない)」という言葉を用いて懸念を示した。(イメージ写真提供:123RF)

写真拡大

 韓国の中央銀行である韓国銀行の李柱烈(イ・ジュヨル)総裁は19日、韓国国内の経済状況、さらには経済の先行きについて「春来不似春(春がきたにせよ春でない)」という言葉を用いて懸念を示した。

 韓国メディアの亜洲経済の中国語電子版によれば、李柱烈総裁は19日に開かれた金融協議委員会の席で、雪が雨に変わる時期を意味する二十四節気の「雨水」が2月19日頃にあたることにかけて、「すでに雨水を迎えつつも、韓国経済は春らしさを感じられない」との見方を示した。

 続けて、李柱烈総裁の見解として、2016年は中国金融市場の動揺から始まり、国際原油価格の下落、日本のマイナス金利の導入などによって、世界の金融市場の変動が大きくなっているとしたほか、韓国は北朝鮮などの地政学的なリスクにも直面しており、こうした要素によって韓国経済が不安定となっていると論じた。

 韓国は輸出に依存する経済構造だが、世界経済の回復の遅れを受けて輸出が減少し続けている。また、中国経済の鈍化のほかに、中国企業が技術力を高め、韓国から輸入していた部品や素材を内製化できるようになってきたことも韓国の輸出減少に響いている。

 そういう意味では韓国経済に春めいたものはなく、むしろ今なお厳冬のまっただ中にいると表現しても過言ではないだろう。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)