決して夢ではない「ギャンブル必勝法」教えます

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競馬、競艇、パチンコ、……。ギャンブルで儲けるのは至難のわざだ。基本的にどのギャンブルも必ず胴元が儲かる仕組みになっている。しかし、「条件つき」ならば、必勝法があるのだ。その代表例が「マーチンゲイル法」である。“カジノ必勝法”として古くから知られるその具体的な賭け方について、ここでは競馬を例に説明しよう。

1日に全12レースが行われるとして、第1レースから順番に買う。ルールはごくシンプルで、まず単勝(1着の馬を当てる)でオッズ(賭けたカネが何倍になって払い戻されるかという払戻金の倍率)がピッタリ2倍の馬に100円を賭ける。ここで勝てば配当金は200円なので、100円の儲けになる。

負けたら、第2レースは2倍の馬に倍額の200円を賭ける。勝てば配当金は400円となり、「400−(100+200)=100円」の儲けだ。負けたら、第3レースでは2倍の馬に倍額の400円を賭ける。

つまり、負けたら2倍の金額を賭けて、勝つまで続けるだけ。それゆえ「倍賭け法」という別名もある。どこで勝っても、必ず最初の賭け金と同額の100円が儲かる。

しかし、ここでわかるのは、負け続けた場合には賭け金が雪だるま式に増えるので、最初に準備する軍資金が重要になるということ。図に示したように、第11レースまで負けた場合、最終の第12レースでの賭け金の合計は40万9500円になる。仮に軍資金10万円でスタートしたとすると、9回連続負けると、トータル5万1100円の負けとなり、次の第10レースの賭け金(5万1200円)が払えず、ここでゲームオーバーだ。

逆に、どのレースで勝っても儲けは100円だけ。軍資金10万円で儲けが100円では、とても魅力ある必勝法とはいえない。ハイリスク・ローリターンのギャンブルなのだ。

ただ、実際の競馬ではオッズが2倍以下から何十、何百倍まで変動する。もし10倍のオッズのレースに勝てば、儲けは大きい。今回の例でいえば、5回目に1600円を賭けてオッズ10倍ならば、「16000−3100=12900円」の儲けになる。ハイリスク・ハイリターンで、これならトライする価値があるかもしれない。ただし、いうまでもなく、オッズが大きくなれば、当たる確率は小さくなる。

結局、マーチンゲイル法を競馬で実践するのは、“ハイリスク・あやふやリターン”ということになる。それでも競馬ファンならば、一度試してみるのも一興だろう。

そもそも「確率」というのは、ギャンブルから生まれたものなのだ。フランスの哲学者ブレーズ・パスカルが、貴族から、賭け金の配分の仕方について尋ねられ、その答えを見つけたのが確率論の始まりだといわれている。

そして、いまや世の中のあらゆるところに、確率の理論は応用されている。たとえば、気象観測のアメダスの予報システムや、生命保険の設計などである。ギャンブルとは無縁の人でも、ギャンブルから生まれた確率の恩恵を日常的に受けているのだ。

(サイエンスナビゲーター 桜井 進 構成=田之上 信)