興南vs宜野座
興南・川満
土曜の雨で翌日にスライドした宜野座と美里工戦のため、月曜日のこの日、準々決勝残りの1試合がコザしんきんスタジアムにて行われた。
その2回。まずは先攻の興南が死球とヒットで一死一・三塁のチャンスを得た。そしてスクイズを敢行するも、宜野座大兼久が捕手の田仲へ送りバッテリーでこれを阻止。その裏、今度は宜野座が一死二塁とすると牽制悪送球の間に三塁へ。
打者が自身の前で高くバウンドする打球を捕球したキャッチャーだったが、一塁で刺せずこちらはバッテリーのエラーで一・三塁のピンチを背負うものの、その直後のスクイズを空振りに仕留めると三本間のランダンプレーでアウトにした。両軍ベンチの、まずは挨拶代わりといったような同じイニングでの同じ一計が、その後の接戦を案じているかのようでもあった。
だが3回、興南が2番伊礼、3番上原、4番福元の3連打であっという間に先制(この間、大兼久が投じた球はわずか6球)。さらに犠打で送り、二、三塁からの打者のショートゴロが本塁へのフィルダースチョイスとなり2点をリードした。さらに一死のまま満塁と攻め立てたが、ここは大兼久が踏ん張り3点目をやらない。すると宜野座は5回、一死から下位の2連打でチャンスを作ると1番新里はフルカウントに。ここで宜野座ベンチはスクイズのサイン。これを新里が見事に決めて前半を終えて1点差と詰め寄った。
しかし6回、興南打線が変わったばかりの2番手山田に襲い掛かる。四球と犠打で二塁へ送ると、今度は1番野村からの3連打で2点をボードに刻んだ。宜野座もその裏、2本のヒットと6番宮城の犠飛で1点を返す。8回裏にも二、三塁と興南のマウンドを預かる川満にプレッシャーをかけ続けたが、粘投する川満を捉えることは出来なかった。
興南が11本、宜野座が10本と両軍二桁安打をマークする乱打戦を制した興南が逃げ切り、4年振り12度目の大会ベスト4進出を決めたが、随所で良いプレーが自然に出る宜野座も、この世代の雄となる可能性を秘めている好チームだった。
(文=當山 雅通)