仙台うみの杜水族館は仙台市宮城野区に、2015年7月開業したばかりの新しい施設だ。三陸の海を再現した大水槽と、東北最大級のショープールを持つ。展示生物は、約300種類、5万匹。そのうち7000匹は今年5月に閉館したマリンピア松島水族館から引き継いでいる。

この仙台うみの杜水族館のミュージアムショップで買ったお土産「くらげこんにゃく」が、ツイッターに写真付きで投稿され、話題となっている。

「くらげこんにゃく」って、いったい何?

触手部分のこんにゃく、食感が楽しい


手のひらにのせた「くらげこんにゃく」(まるい食品ウェブサイトより)

冒頭のツイートの投稿者から続けて、食レポが届けられている。

触手部分の切れ込みが深いため、コンニャクの食感が楽しいとのこと。奥深い海の味がしたそうだ。これには早速、こんな感想が寄せられている。

一方、こんなコメントもあった。

「山形のくらげ水族館用に作られた商品の仙台用バージョンなのでは」という指摘だった。まず仙台うみの杜水族館に電話して、事情を聞いてみることにした。

分かったことは、この「くらげこんにゃく」の製造元は、山形県鶴岡市の会社ということだった。

玉こんにゃく+突きこんにゃく


まるい食品・伊藤久美社長(画像提供:まるい食品)

鶴岡の「まるい食品」に電話をすると、社長自ら電話口で話をしてくれた。伊藤久美さんという。

「くらげこんにゃく」開発のきっかけは、鶴岡市近郊にある加茂水族館の前館長・村上龍男さんに勧められたことがきっかけだったという。「くらげ」をメインにした水族館のリニューアルオープンに向けて、お土産となる商品のアイデアを求められたという。

「頭を柔らかくして、考えるといいよ」というアドバイスをもらって、考えに考え抜く中、ふと目にとまったのは、工場の中に転がっていた古い玉こんにゃく用の型だったという。

「でもここから先は、企業秘密です」と笑って、伊藤社長は口を閉ざす。つくり方は秘密なのだ。「玉こんにゃくと突きこんにゃくの食感を併せ持つところが特徴です」と語ってくれたが...。


加茂水族館展示中の「くらげこんにゃく」の水槽(画像提供:まるい食品)

「くらげこんにゃく」は、昨年、加茂水族館で販売された商品の中で、3位にランクインしたという。くらげの触手の部分に味が浸み込みやすい、他の食材と組み合わせやすい点が好評のようだ。この実績とノウハウを基に、仙台うみの杜水族館用に「仙台味噌味」を開発した、ということだ。

「くらげこんにゃく」を食べてみたい人は、鶴岡市の加茂水族館か、仙台市の仙台うみの杜水族館を訪ねて、ミュージアムショップで購入することだ。それ以外では、まず入手できない。ただ加茂水族館用の商品は、まるい食品の通販ページからも購入できる。


「くらげこんにゃく」商品写真(画像提供:まるい食品)