キャンドルをつかった熱発電でスマホを充電するアイテム

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携帯電話の普及によって、災害時でも連絡がとりやすくなった。そのいっぽうで、近年普及しているスマートフォンは電池の消費量が多いため、以前のガラケーよりも早く電池切れになってしまう。災害時、停電している状態でも、なんとかならないものか?

そんな状況でも、ロウソクと水でスマートフォンを充電できる装置が登場した。『Candle Charger』と名づけられたこの製品、現在クラウドファンディングのサイト『Kickstarter』で資金募集中だ。

火を使って充電する

この『Candle Charger』を発表したStowerという会社は、じつは過去にも『FlameStower』というアイテムを『Kickstarter』で発表し、資金を集めて発売している。それは、アウトドアにおいて、屋外調理用ストーブなどを使って5VのUSB電源を供給する、つまりスマートフォン等のデバイスを充電することができる装置だ。

今回はそれを屋内でロウソクでできるようにしたものだ。デザインもより洗練されて完成度が高まっている。停電時、太陽光発電は天候や日照に依存するし屋内ではできない。手回し充電器で発電できる量はわずかだ。そこで、より確実にスマートフォンを充電できる方法を作り出したいという思いで開発されたデバイスだ。

この『Candle Charger』は5オンス(約142cc)の水とロウソクがあればUSB電源として2.5Wの電力を供給できる。これは多くのラップトップPCのUSBポートと同じくらいだという。専用のStower Candleは6時間連続で燃焼するので、それを使えば、iPhoneがふたつ充電できる。

半導体装置による熱電発電

この『Candle Charger』には、ふたつの重要な技術が使われているという。ひとつは、熱電発電装置だ。この『Candle Charger』は、熱い部分と冷たい部分の温度の差によって電力を生み出す半導体装置によって発電をする。『Candle Charger』では、20年以上もさまざまな分野で実績のある、毒性のないビスマスのテルル化物をベースとした装置を使っているという。

もうひとつの重要な技術は、発電装置から出力される電力を、スマートフォンなど充電対象となるデバイスの要求に合わせて調整するスマート回路だ。それらの融合によって、『Candle Charger』はロウソクで水を熱することで、モバイルデバイスの充電を可能にしている。

なお、加熱された水そのものは充電に利用しないので、その水を使ってお茶を淹れてもかまわない。

この『Candle Charger』、専用キャンドルを1個付属させたキットの価格は99ドルになるようだ。ふだんはあまり使う機会がないだろうが、本当の大災害時には威力を発揮しそうだ。非常用の備えとして用意しておくのは悪くないかもしれない。

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【参考・画像】

※ Candle Charger: Emergency Power Generator for Smartphones -YouTube