――あれは(止められた)大久保選手が褒めていましたが、あそこで止められなかったらやられていた。だからこそ止めるわけですが、そういう汚さは、日本人にもう少し必要な気がします。
 
「そういう気持ちも必要なのかもしれない」
 
――話がおかしくなったのは、あれがレッドでなかったということ。ペナルティとしては甘かった。
 
「そうですね。結局、川崎はあそこで勝点2を失ったかもしれない。その対価がイエローカードだとしたらつり合わなかったですね」
 
――本当は、ああいうファウルはダメだけど。
 
「ダメだけどね(笑)」
 
――FCソウルについてはどう思いました。ラウンド16でG大阪が戦っていますが?
 
「ソウルは正直一番弱かったです。ワンダラーズでリーグ戦を戦ったなかでは。去年、川崎で戦った時よりは、あまり強さは感じなかった。2分けだったんですが、内容ではウチらが2試合とも良かったですし、ビッグチャンスもワンダラーズの方が多かった」
 
――たとえ上手さはなくても、勝ち抜く強さをソウルは持っていたということでしょうか?
 
「というか、彼らは慣れていた。ソウルはずっとACLに出ていて、大負けしないけど、大勝もしない、というスタイル。だからグループリーグではその戦い方が合っていたのかもしれない。ただ、決勝トーナメントではガンバが勝つんじゃないかと思っていて、実際に1戦目はそうなりました」
 
――つまり、ソウルはリーグ戦の戦い方を知っていたのだと?
 
「結果的にグループ敗退にはなりましたけど、ワンダラーズと鹿島が上にいっても不思議じゃなかった。ポテンシャル的なことを言うと、この2チームの方があったかもしれない。広州は外国人選手が凄かったけど、広州とソウルのやっているサッカー自体は、別にそんなに良くはなかった。ただ、上に上がったのはその2チームだから、サッカーは分からないと思いました」
 
――ガンバは普通にやれば勝てそうだということですかね。
 
「俺の予想では、上にいくのは柏、全北、広州恒大、ガンバかなと。それは俺の東地区のベスト4。北京国安も良いと聞いているので、全北との対戦は注目しています」
 
取材・文:江藤高志(川崎フットボールアディクト編集長)