23日、新型小型車「オーリス」を発表するトヨタの渡辺社長(撮影:吉川忠行)

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トヨタ自動車<7203>は23日、新型小型車「オーリス」を同日から発売すると発表した。

 同車は、トヨタの主力量産車「カローラ」の派生車種である「カローラ・ランクス」、「アレックス」の後継として日本・欧州の2大市場に向けて新たに開発した戦略車。「まったく新しいクルマ」(渡辺社長)として「カローラブランド」の看板を外し、「ヴィッツ」、「ラクティス」など既存小型車のひとつ上のクラスに位置付けたとしている。

 同社仏法人のデザイン拠点が担当した外観は、欧州市場のユーザーを意識してボリュームとスポーティーさを追求し、先進性と上質感を演出。内装にはゴシック様式の建築手法である「フライングバットレス」を採り入れ、インパネ・コンソール周りをブリッジ形状にし、一体感のあるデザインに仕上げたという。

 エンジンは排気量1.8リットルの新型2ZR-FEと、同1.5リットルの1NZ-FEの2種類を設定し、全車にCVT(自動無段変速機)を組み合わせた。プラットフォーム(車台)とサスペンションも一新した。
 
 同日、東京都豊島区にある同社ショールーム「アムラックス東京」で開いた発表記者会見で、渡辺捷昭社長は「日欧戦略車としての役割を十分に果たすことのできる高い商品力を持ったクルマに仕上がったと自負している」と強調。

 税込価格は1.5リットル車で162万2250円〜206万8500円、1.8リットル車が191万6250円〜229万9500円。主なターゲットは、子育てを終えた世代や若いカップルなど幅広く想定している。

 国内の月販目標台数は3000台で、来春以降に順次投入する欧州5カ国(英・仏・独・伊・西)と合わせて07年には20万台以上の年間販売を見込んでいる。その後は、オセアニア、中南米でも販売する予定。

 「オーリス」が属するコンパクト2ボックス車は、登録車として国内の3割、欧州の4割を占める人気市場。“主戦場”の欧州では生産拠点を2カ所に構え、ディーゼルエンジン搭載車も投入する。渡辺社長は、現在5%のシェアを誇る欧州市場での展開について「シェアよりも台数。いいクルマを提供して100万台が110万、120万台に進んでいけば。シェアはあくまでも結果」と話した。【了】

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