【ファンキー通信】コンセントに差し込むだけでインターネット

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 ある調査によると、日本のインターネット人口は、7000万人を突破したという。世帯普及率は、50%を超え、約半数の世帯でインターネットが利用できるようになった。インターネットは、ようやく当たり前の存在になりつつあるのだ。

 そしてさらに、インターネットを身近にする技術が実用化されようとしているのだ。それが、PLC(Power Line Communication)だ。PLCは配電線を使って通信をする技術。50Hz(関西では60Hz)で供給されている電力とは異なる周波数帯を使って、データ通信をするのだ。要するにコンセントに電源を差し込むだけで、ブロードバンドが使えてしまうというわけだ。

 実はPLC自体はすでに実用化されていて、現在は電気会社が設備用の機器管理のために利用している。しかし、インターネット接続を目的としたPLCを行うには、より高速な通信が可能な2MHz〜30MHzといった周波数帯を使う必要があるという。

 しかし、ここで大きな問題が。この周波数帯を使うと、電線から漏洩する電波によって、短波を使う放送事業者や業務用無線、アマチュア無線などに電波障害を引き起こしてしまうという。そのため「電波法」で利用が厳しく制限されているのだ。

 とはいえ、電話回線以上に普及しているであろう電線が使え、しかもコンセントさえあれば、部屋のどこからでも通信が可能というのは、かなり魅力的(ADSLや光ケーブルで、インターネットに接続しようと思ったら、電源に加えて、電話回線やケーブル、モデム・TAなど、とにかくいろんなものを繋げる必要がある。しかも、素人には設定もチンプンカンプン)。

 先月には、ソニーと松下電器産業、三菱電機の3社が、PLCの相互接続仕様確立を目指したアライアンス「CEPCA」(CE-Powerline Communication Alliance)を米国に設立するなど、実用化に向けた動きが活発になってきている。

 パソコンの電源をコンセントに差し込むだけで、インターネットができる日もそう遠くはないのかもしれない。(文/verb)