川崎市幸区にある黒田精工本社(同社のウェブサイトより)
ゲージメーカーとして精密加工・精密測定の技術を原点に事業を拡大し、それぞれの分野で業界ナンバーワン商品を開発してきた黒田精工<7726>は、創業から80年。この節目に就任した前田哲也社長に、創業以来の経緯と今後の方針などについて聞いた。

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――前期(05年3月期)の業績は?

 前期は売上げ184億円、経常利益11億9900万円。94年から連結決算制をとっているが、連結決算開始以来、史上最高の利益を計上することが出来た。6つの事業部すべてが好調に推移したことがその一番大きな理由。

――今期の業績予想と今後の方針は?

 今期は前期に比べて残念ながら若干の減収減益を予想している。すなわち売上高では180億円、経常利益では7億8000万円を予定している。

 これは現在IT業界が調整期を脱しつつあるが、予算を作成した時点ではまだIT業界の調整が長引くとの見込みの下、前期に比べて若干の減収減益予想をたてた。期中努力をして、上方修正できるよう努力を積み重ねたい。

 私はお客様に喜ばれる新商品を提供していくことがメーカーの最大の使命だと考えている。売上げに占める新商品の割合を20%以上に維持することを目標に定めて、現在各種のプロジェクトを推進中。

 企業は夢を持たなければいけない。その夢は新製品に凝縮されると考えている。世の中を変革するぐらいの大きなインパクトを持った新商品を開発できれば、と考えている。それを実現するためには経営トップの強い継続的な意志、ならびに理念を保持し続けることが大事だと肝に銘じながら業務を推進したい。

――どのような形での社会貢献を考えていますか?

 私どもの社会に対する貢献ですが、ゲージ事業からスタートした私どもの、現在ゲージ事業でのナンバーワン商品はAPIねじゲージ。これはアメリカ石油協会(API)が認定書を発行している油井管のねじを測定するゲージ。ご承知のように油田というのは油を採取するために油井管という鉄のパイプを何百メートル、何千メートルとつないで地中へ埋めて掘り進んでいきます。そのねじに誤差があると大変なことになる。私どもはAPIねじゲージの認定を得たメーカーとして油井管用のAPIねじゲージを供給しています。これなしでは油田そのものが成立せず、さらには石油製品ができなくなるから、わたくしども産業の底辺を支えるという意味でも社会貢献をしていると自負をしている。

 また、会社全体としても「環境にやさしい会社であろう」ということで環境方針を定め、全工場ともその方針に基づいて「環境にやさしい製造体制」「環境にやさしい商品開発」を現在進めています。【了】

【会社概要】
商号黒田精工株式会社

設立

1925年4月
上場61年10月(東証2部上場:証券コード 7726)
資本金18億7500万円
売上高184億2900万円(05年3月期連結)
代表取締役社長前田哲也(まえだ・てつや)
従業員数449人(05年3月末)
本社神奈川県川崎市幸区下平間239
電話番号044-555-3800(代表)
URL http://www.kuroda-precision.co.jp/


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