生光学園vs英明 生光学園、「左殺し」で悲願の甲子園初出場へ前進!

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生光学園先発・福本真治

生光学園、「左殺し」で悲願の甲子園初出場へ前進!

 「1回戦の進出チーム次第でスタメンは変える予定です」

 生光学園・山北栄治監督が初戦の戦い方を明かしたのは、17日・木曜日の公式練習後のこと。その理由は相手の先発投手予想にあった。帝京第五のエースは右腕・中野 翔太(2年)、英明のエース・赤川 大和(2年)は左腕。すなわち、指揮官はツープラトンのスタメンを示唆したのである。

 そして勝ち上がったのは英明。予定通り生光学園はスタメンに「右投右打」打者を数多く並べてきた。2番・二塁手には三塁手の木戸 優(2年・162センチ52キロ、大阪・都島ボーイズ出身)を回し、6番一塁手には174センチ93キロの巨漢・盒 颯(2年・石井中出身)を起用。新たに7番・三塁手には徳島県大会5試合中3試合出場に留まった巽 翔(1年・180センチ66キロ・奈良ウイング<ヤングリーグ>出身)を抜擢し、「勝負するために赤川先発で行った」英明・香川智彦監督に「左殺し」で対抗した。

 そしてこの試合で活躍したのは、盒 颯、巽の2名であった。

 巽は3打数2安打で7回裏には3点目となる得点。そして盒 颯は「外から入ってくるボールを右に持っていけ」と山北監督からアドバイスを受けた8回裏一死一・二塁から外角高めのストレートを弾き返し試合を決める右前適時打。「個でなくチーム全体で、みんなで戦うことを心がけている」ムードメーカーの一打は単なる1点以上の価値を生んだ。

 もちろんリードオフマンとして4打数3安打の片山 裕登中堅手(2年・右投左打・172センチ66キロ・生光学園中<ヤングリーグ>出身)初回に「何も考えず振り抜いて」大会第2号・高校通算3本目の2ラン先制パンチを浴びせた3番・本山 敏博左翼手(右投右打・172センチ69キロ・寝屋川シニア<大阪>出身)や、左打者へのカットボールを多投し、自己公式戦最長の7回3分の0を3失点に封じた先発右腕・福本 真治(1年)。

 そして4打席目で赤川を捉え決勝ホームを踏み、リリーフでも一度は8回表に9番・酒井 勇志遊撃手(1年・右投左打・170センチ57キロ・多度津中出身)に同点2点適時二塁打を許すも、最終回は最速139キロのストレートで英明を振り切った4番・主将の盒 謙太遊撃手(2年)といった主力選手も十分仕事を果たした。が、彼ら2人の存在なくしては同校史上初の秋季四国大会ベスト4は成し得なかったことも確かである。

 そういえば何とも奇遇なことに、かつて巨人、大洋、ヤクルトで元祖「左殺し」として鳴らした平田薫氏(坂出工業高→駒澤大)は現在ヤングリーグに所属し、高校と同じ敷地内で練習を行う生光学園中学野球部監督。カテゴリー・出身チームは違うが、「左殺し」の伝統は知らず知らずのうちに高校野球部へも伝播されている。

 47都道府県中唯一私学高甲子園出場がない「空白状態」を解消し、同時に悲願の初甲子園出場をほぼ確実なものとするまであと「1勝」。生光学園は県大会準決勝で3対2と接戦で下した池田相手にもチームの合言葉「平常心」で立ち向かっていく。

(文=寺下 友徳)