2012年、がっかりなITニュース12選
2012年も、テクノロジーの世界には新たなプロダクトやサーヴィスがたくさん登場した。しかし、そのいっぽうで多くの失敗作やがっかりする出来事があったのも事実。
たとえば、アップルのiOS 6に搭載された地図アプリは多くの人々を戸惑わせ、様々なサーヴィスで起こったセキュリティの問題からは、オンライン上の個人情報やパスワードの管理についての大きな懸念が持ち上がった。また、カラフルで魅力的なデザインで巻き返しを狙ったノキアは、いまだ浮上できていない。
今回、WIREDではそんな2012年の失敗作や、落胆をもたらした出来事の数々を取り上げたい。
iOS 6の地図アプリ
アップルの地図アプリは、9月にリリースされたiOS 6で、それまでのグーグルマップに代わるデフォルトの地図アプリとして登場した。しかし場所の誤表示など多くのバグが見つかり、ユーザーの不満が続出した。
パスワードの問題
WIREDのライターであるマット・ホーナンは、パスワードという現代のデジタルセキュリティに関わる問題点の、不運な被害者になった。様々なアカウントを乗っ取られた彼のケースは、誰にでも起こり得るものだった。多くのサーヴィスでパスワード流出が増加しているいま、このセキュリティ手段はあらためて考え直す必要がある。
「Blackberry 10」OSの開発の遅れ
RIMは同社最新のOS「Blackberry10」を今年中にリリースする予定であったが、度重なる開発の遅れが発表されるたびに、ユーザーはiOSやAndroid、Windows Phoneなど他のプラットフォームに移っていった。現在は2013年1月30日のリリースが予定されている。
ノキアの巻き返し失敗
ノキアは2011年はじめ、マイクロソフトとの戦略的提携を発表して、世間の人々を驚かせた。その後、同社は2012年に「Windows Phone」OSを搭載した、カラフルで優れたデザインのスマートフォン、Lumiaシリーズの製品を発表。同市場で巻き返しを狙ったが、これらの端末の販売台数は現在も伸び悩んでいる。
グーグル「Nexus Q」の挫折
グーグルが今年の「Google I/O」カンファレンスで発表したストリーミング端末「Nexus Q」は大コケした。300ドルという価格や限られた機能、セットアップの難しさなど、原因には多くが要素が考えられる。
クローズドSNS、Pathのアドレス情報無断アップロード
今年2月、モバイルSNSのPathがユーザーのアドレス帳データを無断で自社のサーヴァーにアップロードしている事実が判明。アップルも規約違反としたこの問題だが、その後、複数のモバイルアプリでも同様の個人情報の無断収集が明らかになり、大きな問題になった。
AT&TのFacetime利用制限
iOS 6のリリースで、携帯通信網経由のFacetimeヴィデオチャットが可能になったが、AT&Tは当初、一部のデータプラン利用者だけがこの機能を利用できると発表した。それに対し、複数の消費者団体がFCCに訴えかけ、けっきょくAT&TはLTEユーザー(iPhone 5と、2012年発売の一部のiPad)に限って、異なる料金プランの場合もこれを利用できるとした。
相変わらず不調な3Dテレビ
2010年以来、3DテレビはCES(コンシューマー・エレクトロニクス・ショー)で毎年のようにプッシュされてきた。多くの最新テレビが3D機能を搭載し、現在出荷されるLCDパネルについても、およそ25%が3Dテレビ用だという。だが、現在もその人気はイマイチで、たとえ3D機能を搭載したテレビでも、実際には使っていない人が多くいるという。
Laplet─タッチパネル画面付きラップトップ
Windows 8 OSの登場で、タブレットとラップトップを組み合わせた、いわゆる「Laplet」が次々に発売された。ただ、これまでのLapletはLenovoの「Yoga」をのぞいて、どれも他愛ないものばかりだ。
アマゾンの度重なるサーヴィス障害
アマゾンでは今年、停電によるサーヴィス障害が頻発した。もっとも大きな影響があった障害では、ネットフリックスやインスタグラム、ピンタレストなどの大手サーヴィスにも影響が出た。これらのクラウドベースのサーヴィスを利用する人々は、手も足も出なくなってしまった。
ジンガの低迷
2011年のIPOにより、10億ドルもの資金を調達したソーシャルゲーム大手のジンガ(Zynga)。だがその後、同社の株価は低迷を続けている。2011年、同社は5,400万人ものアクティヴユーザー数を誇りながらも、4億ドルの赤字を計上。今年10月には従業員の5%を削減し、13種類のゲーム提供を終了すると発表していた。
ツイッターのAPI仕様変更
ツイッター(Twitter)は今年、自社サーヴィスのAPIの仕様を大きく変更した。自社のプラットフォームの囲い込みを目指す同社の施策は、TwitterificやEchofon、TweetdeckやTweertbotなど、多くの関連サーヴィスに影響を与えた。
※この翻訳は抄訳です。
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